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事業承継に於ける暗黙知と形式知

事業承継に於ける暗黙知と形式知


事業承継に大切な知識、特に伝えるのが難しい暗黙知の共有について、弊社の大木顧問にインタビューを行いました。

大木 ヒロシ(おおき ひろし)顧問

 

小規模企業の社長のノウハウは暗黙知

中小企業では社長自身の人格的・人間的なもので業績を上げていることが多々あります。その人(社長)の個性や取引先等との個人的な付き合いの中などで業績を上げたり、維持したりしています。ここに事業承継するにあたっての大きな問題があるのです。例えば、自転車の乗り方を言葉や文章で教えることはできるか?ということと同じ問題があります。あなた自身は自転車を運転できても、自転車に全く乗った事の無い人に自転車が乗れように言葉だけで教えることは至難の技と言う他ありません。この様に言葉や文章のみでは伝えられないものを暗黙知、暗黙の知恵といいます。暗黙知の対語は形式知です。これは、言葉や文章で伝える事の出来る知識やノウハウと言うことになります。

実は中小企業の成功ノウハウの7割以上は暗黙知型です。社長は常日頃、経営を難なくこなしているのですが、そうしたノウハウは形式知として伝えることができないのが現状です。そのために自分の想いが伝わらない、と歯がゆい思いをしていることが多くあります。自分自身ならできるけれど、できることを後継者に言葉で伝えきるのは難しい、という状況にあるのです。これがマイケル・ポランニー(物理化学者・社会科学者・科学哲学者)の唱えた暗黙知の理論です。暗黙知は氷山に例えられます。氷山の、水面下に隠れている部分が暗黙知の領域であり表出している部分よりも大きいが、見えなく、これを伝えるのは非常に難しいのですが、ここが伝わらなければ地域社会の中で社業を継続・拡大していく事は難しくなります。どのようにして暗黙知を伝えていったら良いのかは事業承継における大きな課題でもあります。

 

事業承継を成功させるポイント「暗黙知の伝達」

暗黙知を伝えるために一番重要なのは一緒に行動する、一緒に考えることです。一緒にやってみないと伝えられないことがあります。AAR(After Action Review)というものがあります。キャンペーンやイベントを一緒に遂行する(Action)、その後(After)に検討(Review)を加えるやり方です。例えば戦争の勝敗を分かつのは暗黙知的な要素が大きいとも言われ、勝敗の説明でき難く、勝ったら運が良かったのだと説明するケースも少なくありません。けれどそれでは勝敗を分かつ要因を組織の知識や知恵とする事はできなくなります。そうした中でAAR、事後検討会という形で暗黙知の共有化を試みる必要があるのです。

 

AAR(After Action Review)で想いを相似形にする

AARの始まりはアメリカ軍です。アメリカ軍はベトナム戦争で、ダナンから追い落とされて撤退しました。ベトナム戦に負けた経験からアメリカ軍は学びました。実際に戦った将軍クラスから二等兵まで自由参加させて常にAARを行いました。

AARのポイントは次の4点です。

l  そもそもの目的の確認

l  達成の状況

l  具体的な状況

l  分析と検討:なぜそうなったのか、上手くいった場合は何が良かったのか、上手くいかなかった場合は何が問題だったのか、次があるとしたらどのように改善するか

これらのことを一緒に考えることが暗黙知の共有に繋がります。暗黙知のまま憶えるのです。

暗黙知は考え方、想いです。一番上の立場の人が思っていることが、一番下の思っていることと同じであると、安心して仕事を任せることができます。

事業承継も現社長が先代の社長の成功理由をしっかりと掴んでおくことが必要です。事業承継に伴う「経営革新」を成功させるにも地域の中にある特殊な事情を呑み込めている必要があります。暗黙知を伝えるためには一緒にやることが大事であり、一緒に検討会を行うことで想いが伝わります。

先代と現社長で徹底的に議論すると、先代の過去のやり方、失敗・成功の経験から想いを汲み取ることで、現社長は時代に合った新しいやり方を考案できるようになります。そうすることでハート(心)とアクション(行動)がだんだん一緒になってくるのです。

現経営者と後継予定者が暗黙知を共有化する、共同化することができれば、検討してマニュアルに落とし込み、社員にも共有することができます。これができれば、フルクタル、相似形と言って、先代、現社長、社員の考えていることが基本的には同じになります。社員は共有した考えからその人なりのやり方をしていくので、間違ったことをするリスクが少なくなり会社として危なげなく伸びることができます。

 

企業に於けるAARのやり方

米軍ではデルタフォース、レイジャーなどの特殊な部隊がいます。海兵隊だけでなくAARを取り入れ始めています。それだけ効果的なやり方ということです。

AARはすなわち暗黙知を伝えることです。米軍は作戦や訓練の最中もしくは直後に実施しています。我々企業等に落とし込んだやり方としては、キャンペーン・イベント等の直後、記憶が鮮明なうちにできる限り間を置かずに実施します。前月の業績等について当月の5日以内に前月を振り返ることも有効です。

幹部、代表だけでなく社員も参加できていることが望ましいです。自由に参加できて自由に発言して相手の意見を引き出すような質問を心掛けるこが大事です。

 

会社を膠着状態に追い込む会議の四悪

会議の四悪というものがあります。これがあると会議をしても一つも効果が上がらず、やがて会議をやらなくなり、何一つ変わらなくなってしまいます。会議は変わるためにやるものです。

会議の四悪は

l  会して議せず、会議しているのに議論になっていない

l  議して決せず、議論しているのに、決めない

l  決してやらず、決めたのに、やらない

l  やって責任取らず、やったのに誰も責任取らない

会議の四悪を止める仕組みが必要です。

 

想いを引き継いで、安心な事業承継を

何か問題があったとしてお前が悪い、お前のせいだと言ったところで何も改善しません。ここまで説明したようなことをやっていく事が、事業承継の前提を作ります。

事業承継では新しい社長が新しさを武器に戦うとき、地域社会や今までの歴史などの背景を踏まえて戦わないと、勝てません。新しいだけでは駄目ですし、古いだけではもっと駄目です。

歴史は続いています。トラディション、つまり伝統はトラック(足跡)です。過去と今と未来の中で経営が起きています。過去を全部捨ててしまっては駄目です。続けられたのは想いが正しかったからです。先代のノウハウを現社長に伝えることで、想いを受け継ぎ、現社長の新しさを加えて時代に合った良い形にできるのです。

このようにして想いを引き継ぐのは非常に効率の良い事業承継の在り方です。安心な形で会社を譲ることができます。事業承継できない一番の理由は不安からです。不安だから事業承継できないのです。

 

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大木ヒロシ

フランチャイズチェーンを複数立ち上げた経験を持ち、その経験を元に、セミナーおよびコンサルティングを業務とするジャイロ総合コンサルティング(株)を立ち上げる。現在では、大手企業から中小企業・商店までの多くのコンサルティングにおける成功事例を持つ。また、年間の講演回数は200回を越える超人気講師でもあり、感動と共鳴を生む講演スタイルは他に追随を許さず、日常は多忙を極める。また、「商業界」や「ファッション販売」「食品商業」「日経ストアデザイン」「日経ギフト」「日本のFC年鑑」「独立開業」「オールセールス」「ストアジャーナル」などの雑誌の特集記事、新聞記事などを多く手がけている。

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