高崎商工会議所主催「2024年度 創業塾」レポート – なぜ創業時のマーケティングとビジネスモデルは難しいのか?

創業時のマーケティングとビジネスモデル構築は、多くの起業家にとって大きな課題となります。なぜこれらが難しいのか、そしてどのようにアプローチすべきなのか、高崎商工会議所の創業セミナーで語られた渋谷雄大氏の洞察から紐解いていきましょう。

このブログからわかること

  • 創業時のマーケティングとビジネスモデルの難しさの本質
  • 成功するための重要なポイント
  • 自分の特性を活かしたビジネス展開の方法
  • お客様の心理を理解することの重要性
  • AIを活用した効率的なビジネス運営の可能性

担当講師:渋谷雄大

神奈川大学卒業後、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立。その後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成する。しかし、同社が倒産。責任者としてサプリメント専門チェーン事業の譲渡交渉を担当し、サプリメント専門チェーン事業を自然派化粧品会社への譲渡成功に導く。現在はジャイロ総合コンサルティングの代表として、創業支援、営業強化、店舗戦略、人材育成、販売促進、DX戦略など幅広い分野でコンサルティングを行う。 講演数は年間150回を超える人気講師である。【資格・著書】 中小企業診断士/「繁盛店が必ずやっているチラシ最強のルール」(ナツメ社)

創業時のマーケティングとビジネスモデルの難しさ

創業時のマーケティングとビジネスモデル構築が難しい理由は、それが「0からプラスに持っていく考え方」だからです。

通常の創業スクールでは、潰れないようにするための「マイナスをどうやってなくすか」という視点が重視されます。しかし、実際のビジネスでは、いかに利益を生み出すかという「プラスを作り出す」視点が不可欠なのです。

「大事なことは、特にこのビジネスモデルとマーケティングっていうのは0からプラスに持っていく考え方。ちょっと書いといてメモしてください。0からプラス」

この「0からプラス」の考え方は、個人の特性や経験、目標によって大きく異なります。例えば:

  1. 人脈の活用方法
  2. 得意分野のブランディング
  3. 目標とする会社規模(1億円の会社か、3000万円の会社か、副業レベルか)

これらの要素によって、マーケティングの手法も大きく変わってくるのです。

成功するための重要なポイント

成功するためのいくつかの重要なポイントを挙げています。

苦手なことをやらない

「苦手なことやらないってこと書いといて、マーケティングでやんの。苦手なことをいかにやらないかが超重要です。」

これは一見、逆説的に聞こえるかもしれません。しかし、苦手なことに時間とエネルギーを費やすよりも、得意なことに集中することで、より大きな成果を出せる可能性が高まります。

自分の特性を理解する

「自分の特性から外れないってこと。自分の特性。」

自分の強みや弱み、性格特性を深く理解することが、ビジネスの成功につながります。渋谷氏は、大塚家具の事例を挙げて、会社の特性と経営方針のミスマッチが失敗につながった例を説明しています。

人並み以下の能力は身につける

「人並みよりちょっと下ぐらいまではできるようになろうってのはポイント。」

完全に苦手なことを避けるのではなく、最低限の能力は身につけることが重要です。これは、ビジネスにおいて騙されないためであり、基本的な知識を持つことで自身を守ることができます。

自分の特性を活かしたビジネス展開

渋谷氏は、個人の特性によってビジネスの展開方法が異なることを強調しています。例えば:

  1. 嫌いだけど得意な仕事:全国展開に向いている
  2. 好きで得意な仕事:地域密着型のビジネスに向いている

「嫌いだけど、得意な人ってのは全国展開するとかに得意なんですよ、実は。だから、誰かにできるだけ教えて、その人にやってもらおうっていう発想ができるからわかる。」

このように、自分の特性を理解し、それに合ったビジネスモデルを選択することが成功への近道となります。

お客様の心理を理解することの重要性

マーケティングの本質は、お客様の心理を理解することです。渋谷氏は次のように述べています:

「マーケティングっていうのは要するに、相手のことを理解すること。相手のこと、お客さんを理解することがマーケティング。」

特に不景気や先行き不透明な時期には、お客様の心理がどのように変化するかを理解することが重要です。例えば:

  1. 安心感を求める傾向
  2. コミュニティへの帰属意識の高まり
  3. 非合理的な商品への需要増加

これらの心理的変化を理解し、それに合わせた商品やサービスを提供することで、ビジネスチャンスを掴むことができます。

AIを活用した効率的なビジネス運営

渋谷氏は、AIの活用によってビジネスの効率を大幅に向上させる可能性について言及しています。

「うち、全部ai作ってるんです。僕が今、ai全部作り込みしてて、30分でその会社にあった研修企画書20ページ分を出力するっていうaiを作ったん」

AIを活用することで、以下のようなメリットが得られます:

  1. 業務効率の大幅な向上
  2. 顧客対応の迅速化
  3. 創造的な業務へのリソース集中

しかし、AIはあくまでもツールであり、それを使いこなすのは人間です。AIを効果的に活用するためには、自社のビジネスモデルや顧客ニーズを深く理解していることが前提となります。

まとめ:成功への道筋

創業時のマーケティングとビジネスモデル構築は確かに難しい課題ですが、以下の点に注意することで成功への道筋が見えてきます:

  1. 自分の特性を深く理解し、それに合ったビジネスモデルを選択する
  2. 苦手なことは極力避け、得意なことに集中する
  3. お客様の心理を深く理解し、ニーズに合わせた商品・サービスを提供する
  4. 時代の変化に柔軟に対応し、必要に応じてビジネスモデルを変更する
  5. AIなどの新技術を効果的に活用し、業務効率を向上させる

「意味を自分で作る」ことが経営者として最も重要なスキルの一つです。与えられた状況や情報を自分なりに解釈し、意味づけし、行動に移す。この能力こそが、創業時の困難を乗り越え、ビジネスを成功に導く鍵となるでしょう。

ビジネスの世界に飛び込もうとしている皆さん、自分の特性を活かし、顧客の心理を理解し、そして常に学び続ける姿勢を持ち続けてください。そうすれば、必ず成功への道が開けるはずです。

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