山形県商工会連合会 オンラインセミナーレポート – AIを活用して業務効率を飛躍的に向上させる

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このブログからわかること

  • AIの基本的な種類と特徴
  • AIを活用した業務効率化の具体的な方法
  • AIツールの選び方と使い始めるコツ
  • AIを効果的に活用するためのマインドセット

この記事の筆者:露 英一(つゆ ひでかず)

法政大学卒業後、メディアや飲食業界での実務経験を経て、東京の大手業務用酒類販売会社で営業職として勤務。顧客との信頼構築、価格交渉、利益改善策の策定、社内環境の整備など、幅広い業務に携わり、社内の業務改善と発展に寄与。また、管理職として人材育成にも熱心に取り組み、実践的な指導力を発揮した。その後、インバウンド市場を見据えた外国人・富裕層向け接客業務に従事。高所得者層を対象とした一流の接遇や応対方法、コミュニケーション力を身につける。コロナ禍の影響でリモート営業の分野に進出し、フルリモートの営業環境でトップの成績を2年連続で達成。現在は、講師・コンサルタントとして活動し、多岐にわたる実務経験を基にしたコミュニケーション研修、営業研修、業務効率化研修、マネジメント研修、創業支援研修、ハラスメント防止研修などを提供。わかりやすい事例と論理的なアプローチが評価され、多くの企業や個人から高い信頼を得ている。

AIブームの中で取り残されないために

皆さん、こんにちは。ジャイロ総合コンサルティングの露英一です。

最近、AIという言葉を聞かない日はないほど、AIブームが巻き起こっていますね。しかし、「AIって何だかよくわからない」「使いこなせる気がしない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、日本における個人のAI利用率はまだ9%程度だそうです。つまり、今からAIを活用し始めても、決して遅くはありません。むしろ、今がAIを学び、ビジネスに取り入れる絶好のチャンスと言えるでしょう。

本記事では、AIの基本から実践的な活用方法まで、わかりやすくお伝えしていきます。AIを味方につけて、業務効率を飛躍的に向上させる方法を一緒に学んでいきましょう。

AIの3つの基本タイプを理解する

まず、AIには大きく分けて3つのタイプがあることを押さえておきましょう。

  1. 会話型AI
  2. 検索型AI
  3. 特化型AI

それぞれの特徴を簡単に説明していきます。

1. 会話型AI

会話型AIは、私たちが質問や指示を与えると、それに対して回答を生成してくれるAIです。代表的なものにChatGPTやGeminiなどがあります。

会話型AIは以下のようなことができます:

  • 文章作成
  • 質問への回答
  • 翻訳
  • プログラムコードの作成
  • 要約
  • アイデア出し
  • 文章の校正・添削

会話型AIの特徴は、膨大な量の情報をインプットしており、まるで「巨大な脳」を持っているかのように振る舞うことです。ただし、人間と同じように「嘘」をつくこともあるので、出力された情報は必ず確認が必要です。

2. 検索型AI

検索型AIは、インターネット上の最新情報を検索し、それを基に回答を生成するAIです。代表的なものにPerplexity、Gens.parkなどがあります。

検索型AIの特徴:

  • 最新のオンライン情報を取得できる
  • 文脈に基づいた適切な回答を生成
  • 情報源を引用してくれる
  • 自動的に要約してくれる

会話型AIと比べて「嘘」をつきにくいのが特徴です。情報源が明確なので、回答の信頼性が高いと言えます。

3. 特化型AI

特化型AIは、特定の目的や作業に特化したAIです。例えば以下のようなものがあります:

  • Noraln:動画作成AI
  • Canva:デザイン作成AI
  • Gamma:プレゼン資料・ウェブサイト作成AI
  • Mappify:マインドマップ作成AI

特化型AIは、最終的な成果物が明確なので、初心者にも使いやすいという特徴があります。

これらの3タイプのAIを理解し、目的に応じて使い分けることが、効果的なAI活用の第一歩となります。

AIを活用した業務効率化の具体例

それでは、実際にAIをどのように活用すれば業務効率が上がるのか、具体例を見ていきましょう。

1. 会議の議事録作成を効率化

会議の議事録作成は、多くの時間と労力を要する作業ですが、AIを活用することで劇的に効率化できます。

手順:

  1. スマートフォンアプリ「クローバーノート」で会議を録音する
  2. 録音データを文字起こしする
  3. 文字起こしデータをChatGPTやGeminiに入力し、議事録形式に整えてもらう

この方法を使えば、2時間の会議の議事録を数分で作成することができます。人間が行う作業は最小限で済み、AIが大部分の作業を担ってくれるのです。

2. マーケティング資料の作成

チラシやウェブサイトの広告文、キャッチコピーなどの作成にもAIが大いに役立ちます。

例えば、以下のような指示をAIに与えることで、効果的な広告文を生成できます:

あなたは優秀なチラシの作成者です。以下の情報に基づいてスーパーマーケット用のチラシを魅力的な広告文を作成してください。

ターゲット:30代〜50代の主婦
特売商品:国産牛肉、旬の野菜
セール期間:7月1日〜7月3日
スーパーの特徴:地元産品にこだわり、品質重視
使用したいキーワード:新鮮、お得、ファミリー

AIが生成した広告文を土台にして、人間が微調整を加えることで、短時間で質の高い広告文を作成できます。また、「10パターン作成してください」といった指示を出せば、たくさんのバリエーションの中から最適なものを選ぶこともできます。

3. 市場調査の効率化

新商品開発や競合分析のための市場調査も、検索型AIを使うことで大幅に効率化できます。

例えば、以下のような指示を検索型AIに与えることで、簡易的な市場調査が可能です:

無添加のジャムの市場調査をしています。日本で販売されている無添加ジャムの商品名、価格、良いレビュー、悪いレビュー、リンク先をまとめて表形式で出力してください。10種類以上でお願いします。

AIが瞬時にインターネット上の情報を収集し、整理してくれるので、人間が一つ一つウェブサイトを見て回る必要がありません。これにより、市場動向を素早く把握し、戦略立案に生かすことができます。

4. プレゼン資料の作成

プレゼンテーション資料の作成にも、AIは非常に役立ちます。例えば、Gammaというツールを使えば、テキストを入力するだけで、プレゼン資料のアウトラインを自動生成してくれます。

手順:

  1. Gammaで新規作成を選択
  2. プレゼンテーションのテーマを入力(例:「AI活用による業務効率化」)
  3. AIが自動的にアウトラインを生成
  4. 生成されたアウトラインを基に、詳細を追加・編集

この方法を使えば、プレゼン資料の骨格を短時間で作成でき、あとは人間が内容を肉付けしていくだけで済みます。

5. 情報整理と要約

大量の情報を整理したり、長文を要約したりする際にも、AIは強力な味方になります。例えば、Mappifyというツールを使えば、長文や動画の内容を自動的にマインドマップ形式に整理してくれます。

YouTubeの動画リンクをMappifyに貼り付けるだけで、その動画の内容を視覚的に整理してくれるので、30分の動画の内容を数分で把握することができます。

これらの具体例からわかるように、AIを活用することで、従来何時間もかかっていた作業を数分で完了させることが可能になります。AIを「脳の拡張機能」として上手に使いこなすことで、業務効率を飛躍的に向上させることができるのです。

AIツールの選び方と使い始めるコツ

AIツールは日々進化し、新しいものが次々と登場しています。そのため、「どのツールを使えばいいのかわからない」と感じる方も多いでしょう。ここでは、AIツールの選び方と使い始めるコツをお伝えします。

1. 目的を明確にする

まず重要なのは、AIを使う目的を明確にすることです。「AIを使うこと」自体が目的になってしまっては本末転倒です。例えば:

  • 会議の議事録作成を効率化したい
  • マーケティング資料の作成時間を短縮したい
  • 市場調査の精度を上げたい

といった具体的な目的を設定しましょう。目的が明確になれば、それに適したAIツールを選びやすくなります。

2. 3つの基本タイプから選ぶ

先ほど説明した3つの基本タイプ(会話型、検索型、特化型)を参考に、目的に合ったタイプのAIを選びましょう。

  • 文章作成や質問回答が目的なら:会話型AI(ChatGPT、Geminiなど)
  • 最新情報の収集や市場調査が目的なら:検索型AI(Perplexity、Gens.parkなど)
  • 特定の成果物(動画、プレゼン資料など)の作成が目的なら:特化型AI(Noraln、Gamma、Canvaなど)

3. 無料版から始める

多くのAIツールは無料版を提供しています。まずは無料版を使ってみて、使い心地や効果を確認してから、有料版の導入を検討するのがよいでしょう。

4. スマートフォンアプリから始める

PCでの操作に不安がある方は、スマートフォンアプリから始めるのもおすすめです。例えば、ChatGPTやGeminiのアプリは直感的に操作できるので、AIとの対話に慣れるのに最適です。

5. 日常の些細な疑問や悩みから相談してみる

AIの使い方に慣れるためには、まず日常生活での些細な疑問や悩みをAIに相談してみるのがよいでしょう。例えば:

  • 「今日の晩ご飯のメニューを考えて」
  • 「効果的な運動方法を教えて」
  • 「〇〇という言葉の意味を小学生にもわかるように説明して」

といった質問から始めてみましょう。AIとの対話に慣れてきたら、徐々にビジネス関連の質問や相談をしていくとよいでしょう。

6. 人間による確認を忘れずに

AIは非常に便利なツールですが、完璧ではありません。AIが生成した内容は必ず人間が確認し、必要に応じて修正や補足を行うようにしましょう。特に、事実関係や数値データについては、必ず別の情報源で確認することが重要です。

AIを効果的に活用するためのマインドセット

最後に、AIを効果的に活用するためのマインドセットについてお伝えします。

1. AIはパートナーであり、ライバルではない

AIを「人間の仕事を奪うもの」と考えるのではなく、「人間の能力を拡張してくれるパートナー」と捉えましょう。AIにできることはAIに任せ、人間にしかできない創造的な仕事や意思決定に集中することで、より高い価値を生み出すことができます。

2. 完璧を求めすぎない

AIの出力は常に100%正確というわけではありません。6〜7割程度の精度と考え、それを人間が補完・改善していくという姿勢が大切です。完璧を求めすぎると、かえってAIの活用効果が下がってしまいます。

3. 継続的な学習を心がける

AI技術は日進月歩で進化しています。定期的に新しい情報をチェックし、新たなツールや機能を試してみる姿勢が重要です。「AI担当」を設けるなど、組織的にAIの最新動向をフォローする体制を作るのも一案です。

4. 倫理的な配慮を忘れずに

AIを使う際は、著作権や個人情報保護などの倫理的な問題に十分注意を払う必要があります。特に、機密情報や個人情報をAIに入力する際は細心の注意が必要です。必要に応じて、AIの利用ポリシーを策定するなどの対策を講じましょう。

5. 人間にしかできないことを大切にする

AIが進化しても、人間にしかできないことはたくさんあります。例えば:

  • 創造的な発想
  • 感情を伴うコミュニケーション
  • 倫理的な判断
  • 直感的な意思決定

これらの能力を磨き、AIとうまく組み合わせることで、より高い価値を生み出すことができます。

まとめ:AI活用は新しい時代の必須スキル

AIの活用は、もはや一部の専門家だけのものではありません。むしろ、これからのビジネスパーソンにとって必須のスキルになりつつあります。

本記事で紹介したように、AIを活用することで:

  • 業務効率を飛躍的に向上させる
  • 創造的な仕事により多くの時間を割ける
  • 意思決定の質を高める
  • 新たなビジネスチャンスを見出す

といったメリットを得ることができます。

最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、少しずつ試してみることが大切です。まずは、チャットAIとの会話から始めてみてください。そして、徐々に業務に取り入れていくことで、AIとの付き合い方が分かってくるはずです。

AIは私たちの「頭脳の拡張機能」です。AIと上手に付き合いながら、人間にしかできない創造的な仕事に集中することで、個人としても組織としても大きな飛躍が期待できるでしょう。

AI活用の旅を楽しみながら、新しい時代のビジネスパーソンとして成長していきましょう。そして、常に「AIにできることは何か」「人間にしかできないことは何か」を考えながら、最適な役割分担を模索し続けることが、これからの時代を生き抜くための重要なスキルとなるのです。

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