商工会議所・商工会向けセミナーレポート ‐ AIで変わる経営支援の未来 – 商工会議所・商工会の新たな可能性
なぜAIの活用が商工会議所・商工会にとって重要なのでしょうか?
商工会議所や商工会向けの勉強会が先日行われました。今回の勉強会でのテーマは「AI」。不景気になればなるほど、企業の生産性が落ちていく傾向にあります。特に中小企業は、取引先からの要求に応えるために、売上につながらない業務に時間を取られがちです。このような状況下で、商工会議所や商工会が会員企業の支援をより効果的に行うには、AIの活用が欠かせません。AIを活用することで、業務効率化だけでなく、新たな付加価値の創出も可能になるのです。
このブログからわかること
- AIを活用した経営支援の具体的な方法
- ガンマというAIツールの活用例
- 商工会議所・商工会がAIを導入する際のポイント
- AIがもたらす業務効率化と新たな収益源の可能性
- AIを活用する上での注意点
担当講師:渋谷雄大
神奈川大学卒業後、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立。その後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成する。しかし、同社が倒産。責任者としてサプリメント専門チェーン事業の譲渡交渉を担当し、サプリメント専門チェーン事業を自然派化粧品会社への譲渡成功に導く。現在はジャイロ総合コンサルティングの代表として、創業支援、営業強化、店舗戦略、人材育成、販売促進、DX戦略など幅広い分野でコンサルティングを行う。 講演数は年間150回を超える人気講師である。【資格・著書】 中小企業診断士/「繁盛店が必ずやっているチラシ最強のルール」(ナツメ社)
AIがもたらす経営支援の革新
不景気時代の課題
不景気になると、企業は生産性の低い業務が増える傾向にあります。特に中小企業では、大手取引先からの要求に応えるために、売上につながらない報告書作成や調査業務などが増加します。これは商工会議所や商工会などの支援機関も同様で、上部組織からの要求に応えるために、本来の支援業務に時間を割けなくなるケースが増えています。
この状況を次のように説明します。
「やっぱり不景気になればなるほど生産性のない仕事が増える。これはどの会社も全部一緒ですね。特に商工会とか商工会議所の会員事業者さんで言うと、元受けさんがいらっしゃって、その下についているような会社の場合は、これから生産性のない仕事がどんどん増えてくるんですよ。」
AIによる業務効率化
「15分で提案書を作りました。Gammaがあれば15分で提案書を作ります。」
このような状況下で、AIの活用は非常に有効です。例えば、報告書作成や議事録作成などの業務をAIに任せることで、大幅な時間短縮が可能になります。実際にAIを活用して15分で企画書を作成した例を紹介しています。このような効率化により、支援機関の職員は本来の支援業務により多くの時間を割くことができます。
新たな付加価値の創出
AIの活用は、単なる業務効率化だけでなく、新たな付加価値の創出にもつながります。例えば、AIを使って会員企業の経営相談内容を即座に要約し、アドバイスを生成することができます。
渋このような活用方法について次のように述べています。
「話した内容を。しかもそれが十分後ぐらいに届いたらちょっと目ん玉が飛び出る状態になりませんか?こういう状態を作れると、あ、やっぱりここの会員になってよかったな!っていう状態が作れるわけですよ。」
Gamma ガンマ の活用例
ここで紹介するAIツール「ガンマ」は、ホームページ作成やプレゼンテーション資料作成などに活用できます。特筆すべきは、このツールが多言語対応していることです。
「すべてのページを中国語に変換してそうすると、全てのページが中国語になったホームページが一瞬でできるんですよ。」
このような機能は、海外展開を考える中小企業にとって非常に有用です。
商工会議所・商工会がAIを導入する際のポイント
1. 収益化事業としての展開
AIツールの導入は、商工会議所や商工会にとって新たな収益源となる可能性があります。例えば、ガンマを活用したホームページ作成サービスを会員向けに提供することができます。
「収益化事業。例えば、商工会、商工会議所が月会費プラスで月額いくらもらうと。それで販促支援であったり、ホームページができますよと。」
2. 段階的な導入
AIの導入は段階的に行うことが重要です。まず3ヶ月間のサポートサービスを提供し、その間に会員企業にAIの有用性を実感してもらうことを提案しています。
「例えば、ガンマは最初からゼロからなかなか教えられないから、三ヶ月間は会議所がサポートします。で、その間にこういうものを一緒に使って、しかもAIは使い放題ですよ。」
3. 既存業者との連携
ホームページ制作業者など、既存の会員企業との競合を避けるため、代理店制度を設けるなどの工夫が必要です。
「僕だったら代理店制度作っちゃいます。代理店になってもらって、それでこう作る方をやってもらって。で折半・三分割しましょう。とか二分割しましょう。ってやり方が一番いいような気がします。」
4. 独自AIの開発
商工会議所や商工会が独自のAIを開発することで、より会員企業のニーズに合ったサービスを提供できます。
「商工会議所とか商工会さんが 流山AI というのを作るわけですよ。自分独自のAIできましたよって」
AIがもたらす可能性と注意点
エージェント型AIの登場
エージェント型AIの登場に注目しています。これは、与えられたタスクを自律的に遂行するAIで、人間の新入社員のような働きをするといいます。
「エージェント型AI。エージェント型や、例えばタスクを与えると解決するまでずっとやり続けるってやつだから、一人新入社員ができたって感じです。」
AIの進化と人間の役割
AIの進化は急速に進んでおり、今後さまざまな業務がAIに置き換わる可能性があります。しかし、人間の役割がなくなるわけではないと指摘します。
「どう考えてもこういうものをaiに任せる時代が来ていると思う。これエージェント型っていうのは、だから新入社員とか、例えば中小企業で言うと人一人雇うってすごく大変ですよね。」
AIを活用する上での注意点
AIの活用には注意点もあります。特に事業者に対して次のようなアドバイスをしています。
「事業者がですよ?Aiだけ追いかけてたら潰れますって。だから事業者はこのaiを決めたらそのai使い続けてくださいっていうことをアドバイスしてほしいんですよ。」
つまり、AIの進化に振り回されずに、自社に合ったAIを見つけ、それを継続的に活用することが重要なのです。
まとめ
AIの活用は、商工会議所や商工会にとって、業務効率化だけでなく新たな付加価値創出の機会をもたらします。ガンマのようなAIツールを活用することで、ホームページ作成や企画書作成など、さまざまな業務を効率化できます。また、独自AIの開発や既存業者との連携など、導入に当たっては戦略的なアプローチが必要です。
AIの進化は急速に進んでいますが、重要なのは最新のAIを追いかけることではなく、自組織に合ったAIを見つけ、それを効果的に活用することです。商工会議所や商工会がAIを上手く活用することで、会員企業への支援をより充実させ、地域経済の活性化につなげることができるでしょう。
AIの時代において、商工会議所や商工会の役割はますます重要になります。AIを活用しつつ、人間にしかできない付加価値の高いサービスを提供することで、会員企業からの信頼を得て、地域経済の中核を担う存在となることができるのです。
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