まちだ創業スクール初日開催レポート – 起業の心構えと成功への道筋

「なぜ起業を目指す人が増えているのでしょうか?」

自分の夢を実現したい、社会に貢献したい、自由な働き方を手に入れたい – こうした思いを抱く人が増えています。しかし、起業への道のりは決して平坦ではありません。多くの人が不安や迷いを抱えながら、一歩を踏み出せずにいるのが現状です。

そんな中、町田商工会議所が主催する「まちだ創業スクール」が開催されました。このスクールは、起業を志す人々に実践的な知識とスキルを提供し、夢の実現をサポートすることを目的としています。

今回は、その初日の様子をレポートします。講師を務めたのは、全国で数多くの起業家を支援してきた渋谷雄大講師。彼の豊富な経験と独自の視点から語られる「起業の心構え」と「成功への道筋」は、これから起業を目指す方々にとって、まさに道標となるものでした。

このブログ記事からわかること

  • 起業に必要な基本的な心構えと考え方
  • 成功する起業家に共通する特徴と行動パターン
  • 起業初期に陥りやすい罠と、それを回避するための具体的な方法
  • 効果的な顧客獲得戦略と、それを実践するためのツール
  • 固定費を抑え、利益を最大化するビジネスモデルの構築方法
  • 起業家としての自己分析の重要性と、それを活かすコツ

担当講師:渋谷雄大

神奈川大学卒業後、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立。その後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成する。しかし、同社が倒産。責任者としてサプリメント専門チェーン事業の譲渡交渉を担当し、サプリメント専門チェーン事業を自然派化粧品会社への譲渡成功に導く。現在はジャイロ総合コンサルティングの代表として、創業支援、営業強化、店舗戦略、人材育成、販売促進、DX戦略など幅広い分野でコンサルティングを行う。 講演数は年間150回を超える人気講師である。【資格・著書】 中小企業診断士/「繁盛店が必ずやっているチラシ最強のルール」(ナツメ社)

起業の心構え – 成功への第一歩

創業スクール初日、渋谷講師は参加者たちに「起業とは何か」という根本的な問いかけから講義を始めました。多くの人が「自分の夢を実現すること」や「社会に貢献すること」と答える中、渋谷講師は意外な視点を提示しました。

「起業とは、自分自身をコントロールする能力を磨くことです。」

この言葉に、参加者たちは少なからず驚きを隠せない様子でした。渋谷講師は続けます。

「ビジネスの世界では、予期せぬ出来事が次々と起こります。それらに振り回されず、冷静に対応できる能力が求められるのです。」

この「自己コントロール」という概念は、起業を目指す人々にとって新鮮な視点だったようです。渋谷講師は、この能力を磨くための具体的な方法として、以下のポイントを挙げました。

日々の記録をつける習慣を身につける

「毎日、簡単でいいので日記をつけてください。これは自分の行動や思考を客観的に見るための重要なツールになります。」

渋谷講師によると、日記をつけることで、自分の行動パターンや思考の癖を認識しやすくなるそうです。これは、ビジネスにおける意思決定の質を向上させる上で非常に効果的だと言います。

「例えば、毎年同じ時期に同じような悩みを抱えていることに気づくかもしれません。そうすれば、事前に対策を立てることができますよね。」

この習慣は、単に自己分析のためだけでなく、ビジネスの季節変動への対応や、長期的な戦略立案にも役立つというのです。

固定費を徹底的に抑える

次に渋谷講師が強調したのは、固定費の重要性でした。

「起業初期は特に、固定費を可能な限り抑えることが重要です。これは単に節約するということではありません。ビジネスの柔軟性を保つための戦略なのです。」

渋谷講師は、固定費を1円でも下げることの重要性を、具体的な数字を使って説明しました。例えば、月の固定費を10万円下げることができれば、必要な売上高は約167万円少なくて済むというのです。

「これは単なる節約以上の意味があります。必要な売上が下がれば、それだけ顧客獲得の負担も軽くなります。結果として、より質の高いサービスを提供する時間的余裕が生まれるのです。」

この考え方は、参加者たちに大きな衝撃を与えたようでした。多くの人が、売上を上げることばかりに焦点を当てがちですが、固定費を下げることの重要性を再認識させられたようです。

自分の強みを明確にする

渋谷講師は、自己分析の重要性も強調しました。

「起業家として成功するためには、自分自身をよく知ることが不可欠です。特に、自分の強みを明確に理解し、それを最大限に活かすビジネスモデルを構築することが重要です。」

ここで渋谷講師は、「マルチポテンシャライト」という概念を紹介しました。これは、複数の才能や興味を持つ人のことを指す言葉です。

「起業家の中には、一つのことに集中するタイプもいれば、複数の分野で活躍するタイプもいます。どちらが正しいというわけではありません。重要なのは、自分のタイプを理解し、それに合ったビジネスモデルを選択することです。」

渋谷講師は、起業家のタイプを以下の4つに分類しました:

1. グループハグ型:様々な役割を自分で担当したい人
2. スラッシュ型:複数の異なる仕事を同時に行える人
3. アインシュタイン型:安定した本業と副業を両立させたい人
4. フェニックス型:一つのプロジェクトを極めた後、新しいことに挑戦する人

「自分がどのタイプなのかを理解することで、より自分に合ったビジネスモデルを選択できます。これは、長期的な成功と満足度に大きく影響します。」

この自己分析の重要性は、参加者たちに強く印象づけられたようでした。多くの人が、自分自身のタイプについて考え始める様子が見られました。

 

顧客獲得戦略 – ビジネスの生命線

起業の基本的な心構えを説明した後、渋谷講師は具体的な顧客獲得戦略に話を移しました。

「どんなに素晴らしい商品やサービスがあっても、顧客がいなければビジネスは成り立ちません。しかし、多くの起業家が顧客獲得に苦戦しています。なぜでしょうか?」

渋谷講師によると、その主な理由は「顧客のニーズを正確に理解していない」ことだそうです。

「多くの起業家が、自分が良いと思う商品やサービスを提供しようとします。しかし、それが本当に顧客が求めているものかどうかは別問題です。」

この問題を解決するために、渋谷講師は以下のような戦略を提案しました。

ターゲット顧客を明確にする

「まず、誰に向けて商品やサービスを提供するのかを明確にすることが重要です。『誰でも』というのは、実は『誰でもない』ということなのです。」

渋谷講師は、ターゲット顧客を明確にすることの重要性を、ある犬の専門店の例を挙げて説明しました。

「ある外壁塗装の会社が、アメリカンフレンチブルドッグを店のマスコットキャラクターにしたところ、お客の3割がアメリカンフレンチブルドッグを飼っている人になったそうです。」

この例は、ターゲットを絞り込むことで、思わぬ効果が生まれる可能性を示しています。

「ターゲットを絞り込むことで、マーケティングの効率が上がり、顧客との信頼関係も築きやすくなります。」

顧客の痛点を理解する

次に渋谷講師が強調したのは、顧客の「痛点」を理解することの重要性でした。

「顧客が抱える問題や不満、つまり『痛点』を理解し、それを解決するサービスを提供することが、ビジネスの成功につながります。」

渋谷講師は、この「痛点」を見つける方法として、以下のようなアプローチを提案しました:

– 潜在顧客との直接対話
– アンケート調査の実施
– ソーシャルメディアでの意見収集
– 競合他社の顧客レビューの分析

「これらの方法を通じて得られた情報を基に、顧客の真のニーズに応えるサービスを開発することが重要です。」

効果的なマーケティング戦略を立てる

顧客のニーズを理解した後は、効果的なマーケティング戦略を立てることが重要だと渋谷講師は説明しました。

「今日のデジタル時代では、従来の広告手法だけでなく、ソーシャルメディアやコンテンツマーケティングなど、様々な手法を組み合わせることが効果的です。」

特に、渋谷講師が強調したのは、SNS広告の活用でした。

「例えば、展示会が開催されている会場の周辺だけにピンポイントで広告を出すことができます。これにより、ターゲットとなる潜在顧客に効率的にアプローチすることが可能になります。」

この具体的な例に、参加者たちは大きな関心を示しました。多くの人が、自分のビジネスにどのように応用できるかを考え始めている様子でした。

ビジネスモデルの構築 – 持続可能な成長のために

顧客獲得戦略の次に、渋谷講師はビジネスモデルの構築について話を進めました。

「顧客を獲得できても、適切なビジネスモデルがなければ、持続的な成長は難しいです。ここでは、利益を最大化し、リスクを最小化するためのポイントをお話しします。」

渋谷講師は、以下の3つのポイントを強調しました。

固定費と変動費のバランスを取る

「先ほども触れましたが、固定費を抑えることは非常に重要です。しかし、同時に変動費についても考慮する必要があります。」

渋谷講師は、固定費と変動費のバランスを取ることの重要性を、具体的な数字を使って説明しました。

「例えば、月の売上が1000万円で、変動費が400万円、固定費が600万円の場合を考えてみましょう。この状態で固定費を100万円削減できれば、必要な売上高は約167万円減少します。」

この例は、固定費の削減がいかに大きな影響を持つかを明確に示しています。

「固定費を削減することで、より少ない売上でも利益を出せるようになります。これは、特に起業初期の不安定な時期に非常に重要です。」

複数の収入源を持つ

次に渋谷講師が強調したのは、複数の収入源を持つことの重要性でした。

「一つの商品やサービスに依存するのはリスクが高いです。複数の収入源を持つことで、一つの分野が不調でも全体としては安定した収入を得ることができます。」

渋谷講師は、この考え方を「ポートフォリオ戦略」と呼び、以下のような例を挙げました:

– メイン商品とサブ商品の組み合わせ
– オンラインとオフラインのサービスの併用
– 定期収入(サブスクリプション)と単発収入の組み合わせ

「これらの組み合わせは、ビジネスの安定性を高めるだけでなく、顧客のニーズにも幅広く対応できるというメリットがあります。」

スケーラビリティを考慮する

最後に渋谷講師が強調したのは、ビジネスのスケーラビリティ(拡張性)を考慮することの重要性でした。

「起業初期は小規模でスタートするのが一般的ですが、将来的な成長を見据えたビジネスモデルを構築することが重要です。」

渋谷講師は、スケーラビリティを高めるための方法として、以下のようなアプローチを提案しました:

– デジタル技術の活用(オンラインサービス、自動化など)
– フランチャイズモデルの検討
– アウトソーシングの活用

「例えば、最初は対面でのコンサルティングサービスを提供していても、将来的にはオンラインコースや電子書籍などのデジタル商品を開発することで、より多くの顧客にリーチできるようになります。」

この考え方は、多くの参加者に新たな視点を提供したようでした。特に、自分のビジネスをどのように拡大していくかについて、具体的なイメージを持つことができた参加者が多かったようです。

まとめ – 起業成功への道筋

2.5時間の講義の最後に、渋谷講師は以下のようにまとめました。

「起業は確かに挑戦的で、時に困難を伴うものです。しかし、正しい心構えと戦略を持って臨めば、必ず道は開けます。今日お話しした内容を簡単にまとめると以下のようになります:

1. 自己コントロール能力を磨く
2. 固定費を徹底的に抑える
3. 自分の強みを明確にし、それを活かすビジネスモデルを構築する
4. ターゲット顧客を明確にし、その痛点を理解する
5. 効果的なマーケティング戦略を立てる
6. 複数の収入源を持ち、スケーラビリティを考慮する

これらのポイントを押さえつつ、常に学び続ける姿勢を持つことが、起業成功への近道となります。」

この「まちだ創業スクール」の初日は、参加者たちに起業への具体的なイメージと、成功への道筋を示す貴重な機会となりました。残りの5回の講義を通じて、参加者たちがどのように成長し、それぞれの夢に向かって歩みを進めていくのか、大いに期待が高まります。

起業を考えている方、すでに起業している方、そしてビジネスに関心のある全ての方にとって、この講義の内容は大変参考になるものでしょう。渋谷講師の言葉を借りれば、「起業は自分自身との戦い」です。しかし、正しい知識と心構えを持ち、一歩一歩着実に進んでいけば、必ず道は開けるはずです。

起業の道のりは決して平坦ではありませんが、正しい知識と心構えがあれば、必ず道は開けます。「まちだ創業スクール」の今後の展開にも注目しつつ、皆さんも自分なりの起業プランを練ってみてはいかがでしょうか。夢の実現に向けて、一緒に頑張りましょう!

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