AIを使った経営指導と業務改善〜支援機関向け勉強会の開催レポート

価値ある仕事に時間と労力を割けるように

ジャイロ総合コンサルティング株式会社の渋谷雄大です。先日、支援機関向けのAI実務勉強会を開催しました。今回は70名もの方々にお申し込みいただき、AIへの関心の高さを実感しています。
AIは万能ではありませんが、かなりの部分で活用できます。一方で、AIに振り回されすぎている人も多いのが現状です。今回の勉強会では、実務に即したAI活用法をお伝えしましたのでレポートとして紹介させていただきます。

なお、この開催レポートはZoom録画データの文字起こしをClaudeというAIを使ってブログ形式にまとめたものになります。

AI活用の基本的な考え方

AIを活用する上で大切なのは、「AIでやるべきものと人がやるべきものをしっかり分ける」ことです。AIでやるべきことは「お金を産まないもの」、つまり間接業務です。人が時間を割くべきなのは、例えば巡回指導のような、人でなければできない業務です。
アメリカでは52%の企業がAIを活用しており、週5時間ほどの時間節約ができているそうです。この節約できた時間を、本来の価値を生む業務に充てることが重要です。
また、AIツールは最新のものを追いかけすぎず、同じものを使い続けることをおすすめします。役割によって適切なAIを選択することが大切です。

具体的なAI活用事例

文字起こしツール「CloveNote」

文字起こしは、最も無駄な業務の一つです。私がおすすめするのは、LINEが提供する「Clova Note」というサービスです。精度が高く、月600分まで無料で使えます。
このツールを使えば、経営指導員の方々が事業者とのヒアリング内容を簡単に記録できます。さらに、このデータをAIに分析させることで、SWOTやSTP分析、4P分析なども一瞬で行えます。
新人指導員の方々にとっては、ベテラン指導員の雑談の中から重要な情報を拾い上げる練習にもなります。また、複数の指導員で情報共有するのにも役立ちます。

メール文作成

AIを使ってメールの返信文を作成することもできます。特に、Claudeというツールは自然な文章を生成するのが得意です。
ポイントは、AIに自分の文章のサンプルをいくつか読み込ませることです。そうすることで、AIが自分らしい文章を生成してくれます。これにより、AIが作った文章でも、自分が書いたかのような印象を与えることができます。

動画作成

「Nolang」というサービスを使えば、簡単に動画を作成できます。例えば、会員事業者向けのセミナー案内や、補助金の説明動画などを手軽に作れます。
ホームページやPDFの内容を読み込ませるだけで、AIが自動的に動画を生成してくれます。さらに、対話形式の解説動画を作ることもできるので、新人指導員向けのマニュアル解説動画なども簡単に作成できます。

下記は昨日デモで作成したNoLangで作成した講師紹介動画。
ワンクリックでHPの内容をまとめてくれます。

https://no-lang.com/video/39950146-4642-4876-8ca3-1140a619989f?type=vod

経営指導でのAI活用

私たちは、複数のAIを組み合わせて経営指導に活用できるシステムを開発しています。このシステムでは、ヒアリング内容を入力するだけで、SWOT分析や事業計画の立案、適切な補助金の提案、新規事業アイデアの生成まで自動で行います。

もちろん、このシステムは指導員の経験や知見を完全に代替するものではありません。むしろ、指導員の方々が本来の価値を生む業務により多くの時間を割けるようサポートするツールです。
AIを活用することで、新人指導員でもベテラン並みの提案ができるようになります。ただし、最終的な判断や事業者とのコミュニケーションは人間にしかできません。AIと人間の強みを組み合わせることで、より質の高い経営指導が可能になるのです。

創業スクールでのAI活用や経営改善への応用など使わないリスクが高い

AIの活用は、支援機関の業務効率化だけでなく、創業支援や経営改善指導の質の向上にも大きく貢献します。例えば、創業スクールでAIを活用すれば、より実践的で価値のあるアイデア創出が可能になります。
一方で、AIを活用する上での課題もあります。情報セキュリティの問題や、AIへの過度の依存などです。しかし、最新のAI技術ではデータをクラウドに上げずにローカルで処理する方向に進んでおり、セキュリティリスクは低減されつつあります。
むしろ、AIを使わないことによるリスクの方が大きくなっています。AIを適切に活用できない支援機関は、事業者からの信頼を失う可能性があるのです。

AIを活用してきましょう

AIの活用は、もはや避けて通れません。しかし、AIに振り回されるのではなく、AIを上手に使いこなすことが重要です。そのためには、支援機関の皆さまが一丸となって、AIの活用方法を研究し、実践していく必要があります。
私たちジャイロ総合コンサルティングでは、今後も支援機関の皆さまと共に、AIを活用した新しい経営支援の仕組みづくりに取り組んでいきたいと考えています。ぜひ、皆さまからのご意見やご要望をお聞かせください。一緒に、より良い支援の形を作り上げていきましょう。

最後になりましたが、今回の勉強会にご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。今後も定期的にAI活用セミナーを開催していく予定ですので、ぜひご参加ください。これからの経営支援に、AIを上手に取り入れていきましょう。

受講者の感想

某商工会の経営指導員

今回のAIについてのセミナーを聞いて非常に刺激的であった。AIについては、実際にChatGPTなどを活用しているが、今回のセミナーを聞いて、今後の活用次第では何でも使えるのではないかと思った。また経営指導員としての危機感を覚えた。そして一次情報についての情報収集がいかに重要であるかについて再確認できた。他の職員にもこのセミナーの内容を伝えていきたい。

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