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ビジネスモデルをつくる

ビジネスモデルをつくる


企業経営の世界は常に変化する。この変化する経営環境の中で、新たなビジネスモデルが次々と
生まれている。例えばランサーズ等のクラウドソーシング、Uberなどのタクシー配車システム、
分散型融資を意味するソーシャルレンディングなどの新たなビジネスモデルだ。旧聞に属するが、
GoogleやAppleも次々とビジネスモデルを生み出している。Googleが新たなことを試み始めた
当時は、「Googleは一体何を行おうとしているのか?」「Googleは何で儲けようとしているか?」
などと疑問に思ったものだが、それでも、大半は大きな事業に育っている。また、Appleは製品の
企画・創出のみを行い、完全なファブレス企業の地位を確立したが、このような形態はApple以前
にはなかったはずだ。

でも残念ながら、新たなビジネスモデルのほとんどがアメリカ発で、日本からはあまり生まれて
いないようだ。日本企業は新興企業であっても、米国発のビジネスモデルの日本版として出発
する、あるいはそれらのプレイヤー・下請けの地位から脱していない。ここでは、どのようにして
ビジネスモデルが生み出されるか、そして、どうすれば新たなビジネスモデルをつくり出すことが
できるのかを考えてみたい。

現在は、ヒット商品を生産し、いち早く販売することで儲ける、という一時代前のビジネスでは、
生き残れない。例えば、日本企業の存在感が強い自動車産業は、このようなビジネスに属する。
しかし、自動運転車などの時代が来ると、現在の自動車産業のプレイヤーが一新するとも
言われている。すなわち、モノづくりのみを強みだと信じていると、足をすくわれる可能性が
あるのだ。

これからのビジネスを支配するのは、プラットフォームをつくり出せる企業だろう。プラット
フォームビジネスとは、プレイヤーになることではなく、プレイヤーが活動する基盤を提供する
ビジネス形態を指す。プレイヤーとは、顧客に直接商品やサービスを提供する企業や個人を
意味する。要するに、多様な企業や個人にビジネス基盤を提供し利用してもらい、その
サービスの利便性を享受させることで、利用者を増やしていく。プレイヤーや利用者から
小口のプラットフォーム利用料を集めることで収益を上げる形態の事業が、プラットフォーム
ビジネスだ。

例えば、筆者が良く知るビザスクという会社がある。この会社は、課題を持つビジネスパーソン
(=クライアント)と、専門的な情報や豊富なビジネス経験を持つビジネスパーソン(=アドバイ
ザー)が、「1時間の電話/対面会議(=スポットコンサル)」という形で出会う機会を提供する
ウェブサービスを提供している。この会社のビジネスが大きく飛躍するのかどうかは未知数
だが、その可能性は感じさせる。また、このビジネスモデルが完全にユニークかと問われれば、
そうでもないとも思われる。ただし、かつての日本には同種のビジネスは存在しなかった。

このようなプラットフォームビジネスには、多くの利点がある。第一に、立上げ期に大きな
投資を要しないことだ。生産するわけではないので、生産設備は不要だし、極端に言えば
サービス提供するためのウェブサイトのみあれば始められる。第二に、優れたアイデアを
生み出すことができれば一気に成功に近づくことができる。第三に、事業を開始しながら、
微修正が可能だという点だ。課金制度や顧客ターゲットなどを事業継続しながら変える
ことができる。要するに、かつて言われた「リーンスタートアップ」に適するということだ。

先に述べた自動車産業にあって、今後自動運転車が飛躍するとすれば、車種やメーカーが
異なる自動車であっても、自動運転サービスを運転者に提供するビジネス形態を作り
上げれば、巨大な投資を必要とする自動車産業にあって、新興勢力であってもリスクを
取らずに参入できるだろう。(多分)Googleは自動車生産には乗り出すつもりはなく、自動
運転サービスを提供することで、自動車メーカーと運転者をつなぐビジネス形態を目指して
いる、と私は考えている。

次に、プラットフォームビジネスに潜むリスクには何があるのか考えてみたい。まずは、
プラットフォームビジネスのアイデア創出を効率的に合理的に行えるかどうかということだ。
これに決め手はないだろうが、現在事業を行っている経営者であれば、「顧客を集める」
「販売先を見つけるのに苦労している」「資金不足に陥っている」などの課題を発想の
原点にし、こんなサービスがあれば・・・と考える場面はあるだろう。このように、自身が
困っている課題を発想のきっかけにすることが、最も合理的な方法だと思う。

一方で、いかにプラットフォームビジネスでは経営者の軌道修正が容易であったとしても、
失敗のリスクは決して小さくはないだろう。成功する確率は10%を下回るかもしれない。
顧客やパートナーにプラットフォーム利用が魅力的だと思ってもらえない限りは、成功が
覚束ない。試行錯誤しかないような気がするが、経営者の思い込みを排除し、事前の
マーケット調査を入念に行うべきだろう。

さらに、サービスを開始しても、顧客やパートナー募集に苦労することが予想される。
スタートアップ時につまづく要因だ。少額であっても料金を払って、成功するかどうか
分からないサービスを利用する人は少ない。そうであれば、立上げ期には無料サービス
などのラインアップを用意したい。その意味で、収支計画は確実に、出来れば
リスクフリーの資金を準備しておきたい。

以上、プラットフォームビジネスが新たなビジネスモデルの萌芽に結びつくという説明を
行ったが、経営者であれば常に、新たなビジネスモデルを模索する姿勢を保ちたい。
新たなビジネスモデルなしで、今後長くビジネスの世界で存在することができない、
という点を、筆者自身も含めて肝に銘じたい。

西村 伸郎(にしむら のぶお)

大阪大学大学院 修了。富士ゼロックス株式会社の研究所に勤務し、記憶装置などの研究業務に従事する。その後、研究企画・管理部門を経て、設計開発、製品リサイクルなどを統括する立場で経験を積む。平成16年、富... » もっと見る

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