講師として失敗しないための3つのチェックポイントを解説

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この記事の結論

年間150-200回の講演をこなすプロ講師が、20年の経験から導き出した「致命的な失敗を防ぐ3つの重要ポイント」を解説。講師として成功するためには、優れた内容を提供する以前に、基本的な失敗を防ぐことが重要です。特に、講座開始前の品定め、講座開始直後の自己紹介とアイスブレイク、そして終了時の質疑応答と時間管理が重要なポイントとなります。

この記事から学べること:

・講師は会場到着前から評価されている
・自己紹介は経歴羅列ではなく価値提供の視点で
・アイスブレイクは講師への注目度を下げない工夫が必要
・質疑応答は想定を超える価値を提供する機会
・時間管理は講師としての基本中の基本

この記事の筆者 渋谷 雄大 (しぶや たけひろ)

神奈川大学卒業後、訪問販売会社にて最年少トップセールスを樹立。その後、サプリメント専門チェーン事業部門の責任者として、ショッピングセンター・百貨店などへの出店戦略をはじめとして、人材育成、プロモーション・広報などを一手に引き受け多店舗展開を達成する。しかし、同社が倒産。責任者としてサプリメント専門チェーン事業の譲渡交渉を担当し、サプリメント専門チェーン事業を自然派化粧品会社への譲渡成功に導く。現在はジャイロ総合コンサルティングの代表として、創業支援、営業強化、店舗戦略、人材育成、販売促進、DX戦略など幅広い分野でコンサルティングを行う。 講演数は年間150回を超える人気講師である。【資格・著書】 中小企業診断士/「繁盛店が必ずやっているチラシ最強のルール」(ナツメ社)

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はじめに

皆さん、こんにちは。ジャイロ総合コンサルティングの渋谷です。12月15日に開催された講師養成セミナーでは、40名近い参加者を前に、プロ講師として20年の経験から得た「致命的な失敗を防ぐポイント」をお伝えしました。「いい話をすること」は確かに重要です。しかし、それ以前に気をつけるべき重要なポイントがあります

講師として20年以上のキャリアを積み、年間150から200回もの講演をこなしてきた経験から、今日は特別な話をしたいと思います。それは、講師として致命的な失敗を防ぐための3つの重要なポイントについてです。

私たち講師は、素晴らしい内容を伝えることに注力しがちです。しかし、実はそれ以前に気をつけるべき重要なポイントがあるのです。たった一つのミスが、せっかくの素晴らしい内容を台無しにしてしまうこともあります。今回は、そんな致命的なミスを防ぐための秘訣をお伝えします。

講座開始前の意外な落とし穴

まず最初に押さえておきたいのが、講座開始前の注意点です。多くの講師が見落としがちですが、実は受講者による「品定め」は、講座が始まる前からすでに始まっているのです。

例えば、会場に向かう電車の中や、近くのコンビニでの立ち寄り、エレベーター内での振る舞いまで、すべてが受講者の目に触れる可能性があります。「今日の講師だ」と思われた瞬間から、あなたの評価は始まっているのです。

特に注意したいのが、講師席での待機姿勢です。ソワソワしたり、頻繁に時計を見たり、何かをひたすら書き続けたりする姿は、不安そうで準備不足に見えてしまいます。代わりに、落ち着いて受講者を眺めながら平然と待つことが大切です。

また、公共交通機関での心構えも重要です。例えば、会場が丸の内線沿いであれば、丸の内線に乗る段階から講師としての意識を持つことが大切です。常に「誰かが見ている可能性がある」という意識を持ち、プロフェッショナルな態度を保つことが求められます。

エレベーターやコンビニでの振る舞い

意外と見落としがちなのが、エレベーターやコンビニでの振る舞いです。同じエレベーターに乗り合わせる可能性や、コンビニで受講者と鉢合わせする可能性は十分にあります。

エレベーター内では、落ち着いた態度を保ち、必要以上に緊張した様子を見せないことが大切です。また、コンビニでの買い物も注意が必要ですこれらの点に気をつけることで、講座開始前から受講者に好印象を与え、スムーズに講座をスタートさせることができます。プロの講師は、講座の内容だけでなく、こうした細かな点にも気を配っているのです。

講師席での待機姿勢のポイント

講師席での待機姿勢は、受講者に与える第一印象として非常に重要です。ここでのポイントをいくつか詳しく見ていきましょう。

  1. 姿勢を正す:背筋を伸ばし、リラックスした中にも凛とした雰囲気を醸し出します。
  2. 視線の配り方:会場全体を穏やかに見渡し、特定の場所を凝視しないようにします。
  3. 手の置き方:テーブルの上に自然に置くか、軽く組んでおくのがよいでしょう。
  4. 表情管理:柔和な表情を保ち、過度に緊張した様子や、逆に油断した様子を見せないよう注意します。

これらのポイントを意識することで、「この講師なら信頼できそうだ」という印象を、講座開始前から受講者に与えることができます。

また、待機中に資料を確認したり、メモを取ったりすることは避けましょう。これらの行動は、準備不足や不安な様子と捉えられかねません。もし最終確認が必要な場合は、受講者の目に触れない場所で済ませておくことをおすすめします。

講師としての経験を重ねるにつれ、こうした細かな点への配慮が自然とできるようになります。しかし、ベテラン講師であっても、時には初心に返って自分の姿勢を見直すことが大切です。常に受講者の視点に立ち、「自分が受講者だったら、どんな講師に好印象を持つだろうか」と考えることで、より効果的な待機姿勢を取ることができるでしょう。

講座開始直後の致命的ミス:自己紹介とアイスブレイクで失敗しないために

前章では講座開始前の注意点についてお話しましたが、今回は講座が始まってすぐの重要なポイントについてお伝えします。実は、講座の冒頭で犯してしまう失敗が、その後の講座全体の印象を左右してしまうことがあるのです。

講師として20年以上のキャリアを積み、年間150から200回もの講演をこなしてきた経験から、特に注意すべき2つのポイントがあります。それは「自己紹介」と「アイスブレイク」です。これらは一見簡単そうに見えて、実は多くの講師が躓いてしまう部分なのです。

効果的な自己紹介の秘訣

まず、自己紹介について考えてみましょう。多くの講師が陥りがちな失敗は、経歴をただ羅列してしまうことです。「〇〇大学卒業後、××会社に入社し…」といった具合に、自分の履歴書を読み上げるような自己紹介は避けるべきです。なぜでしょうか?

実は、受講者が自己紹介を聞く目的は、「この講師から学ぶ価値があるかどうか」を判断するためなのです。つまり、受講者は講師の経歴そのものよりも、その講座に関連する経験や知識、そしてそれがどのように役立つかを知りたいのです。

では、効果的な自己紹介はどのように組み立てればよいでしょうか?以下の3つのポイントを押さえましょう。

  1. 講座内容に関連する経験や実績を中心に紹介する
  2. 受講者にとっての価値を明確に示す
  3. 簡潔かつ印象的に伝える

例えば、「私は20年間、全国の中小企業を対象に経営コンサルティングを行ってきました。その中で、多くの企業が抱える共通の課題と、それを解決するための効果的な方法を見出してきました。今日は、皆さんの企業でも即実践できる、利益を2倍にする戦略をお伝えします。」というような自己紹介は、受講者の興味を引き、学ぶ価値を感じさせることができるでしょう。

アイスブレイクの新しい考え方

次に、アイスブレイクについて考えてみましょう。多くの講師が「場を和ませる」ためにアイスブレイクを行いますが、実はこれも大きな落とし穴があります。

よくある失敗は、講師自身がリラックスするためだけにアイスブレイクを行ってしまうことです。例えば、「隣の人と自己紹介し合ってください」といったグループワークを行い、受講者同士は仲良くなりますが、肝心の講師のことは全く覚えていない…というような状況です。

では、効果的なアイスブレイクとはどのようなものでしょうか?以下の4つのポイントを意識しましょう。

  1. 講座の内容に関連したテーマを設定する
  2. 受講者が価値を見出せる内容にする
  3. 講師への注目度を下げない工夫をする
  4. グループワークに偏りすぎない

例えば、「今日の講座のテーマである『利益2倍戦略』について、皆さんが現在抱えている課題を1分間で考えてください。その後、いくつか挙手でお聞きしますね。」というようなアイスブレイクは、講座の内容に関連し、受講者自身の課題を明確にし、かつ講師への注目も維持できる効果的な方法です。

講座終了時の重大ポイント:質疑応答と時間管理で失敗しないために

講座開始前の注意点や、講座開始直後の自己紹介とアイスブレイクについてお話してきました。ここでは、講座の締めくくりとなる重要なポイントについてお伝えします。

実は、講座の最後の部分で犯す失敗が、それまでの素晴らしい内容を台無しにしてしまうことがあるのです。20年以上にわたり年間150から200回もの講演をこなしてきた経験から、特に注意すべき2つのポイントがあります。それは「質疑応答」と「時間管理」です。

質疑応答での価値創造:想定を超える回答の重要性

まず、質疑応答について考えてみましょう。多くの講師が陥りがちな失敗は、想定内の回答だけで済ませてしまうことです。「はい、その通りです」「頑張ってください」といった表面的な返答では、受講者の満足度は高まりません。

質疑応答の本当の価値は、受講者が「さすがプロだな」と感じるような、想定を少し超えた視点や情報を提供することにあります。例えば、質問に対して単に答えるだけでなく、その背景にある課題や、関連する他の事例を交えて説明することで、受講者に新たな気づきを与えることができます。

効果的な質疑応答のためには、以下の3つのポイントを意識しましょう:

  1. 質問の本質を理解し、受講者の真の悩みや課題に応える
  2. 具体的な改善点や行動指針を提示する
  3. 可能な限り、質問者の状況に合わせたカスタマイズした回答を心がける

例えば、「売上を上げるにはどうすればいいですか?」という質問に対して、「顧客ニーズの分析が重要です」と答えるだけでは不十分です。代わりに、「まず、現在の顧客層を年齢や職業などで細分化し、各セグメントのニーズを深掘りしてみましょう。その上で、最も成長が見込めるセグメントに絞って、商品やサービスの改善を行うことをおすすめします。具体的には…」といった具合に、実践的なアドバイスを提供することで、受講者の満足度を高めることができます。

時間管理の絶対原則:プロフェッショナリズムの証

次に、時間管理について考えてみましょう。これは講師としての基本中の基本ですが、意外にも多くの講師が失敗してしまうポイントです。

最も避けるべき失敗は、与えられた時間を大幅に超過することです。例えば、90分の講座を予定していたのに、105分も話し続けるようなケースです。これは、受講者の時間を奪うだけでなく、主催者側の次の予定も狂わせてしまう可能性があります。

プロの講師として心がけるべき時間管理のポイントは以下の通りです:

  1. 与えられた時間の前後20秒以内での終了を目指す
  2. 時間超過は絶対に避ける
  3. 「残れる方は特別授業」といった対応は不適切
  4. 主催者側の次の予定も考慮する

90分の講座であれば、89分40秒から90分20秒の間に終了することが理想的です。これは単なる几帳面さではなく、プロフェッショナルとしての信頼性を示す重要な要素なのです。

時間管理を徹底するためには、事前の準備が欠かせません。講座の構成を細かく時間配分し、各セクションでの時間をしっかりと把握しておくことが大切です。また、質疑応答の時間も含めて全体の時間配分を考え、柔軟に調整できるよう準備しておくことをおすすめします。

最後に

プロ講師としての成長に終わりはありません。常に学び、進化し続けることで、受講者により大きな価値を提供できるのです。皆さんも、自身の強みを活かしつつ、常に新しいことにチャレンジする姿勢を持ち続けてください。

以上が、プロ講師としての心構えとスキルアップについての私の考えです。これらのポイントを意識し、実践することで、より魅力的で信頼される講師になることができるでしょう。皆さんも、ぜひこれらを参考に、自身の講師としてのキャリアを磨いていってください。

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