展示会成功への道筋 – 米子商工会議所プレセミナー詳細レポート

ジャイロ総合コンサルティング株式会社の渋谷雄大です。
先日、米子商工会議所主催の「展示会・商談会フル活用セミナー」のプレセミナーで講師を務めさせていただきました。

今回は、その内容と重要なポイントについて詳しくお伝えしたいと思います。

展示会・商談会フル活用セミナーの内容

1. 展示会の重要性

セミナーは「展示会成功の概略」というテーマで始まり、まず展示会の重要性について説明しました。

「展示会や商談会は、コロナ禍が明けた今、直接的な営業活動の場として非常に重要になっています。特に中小企業にとっては、新規顧客獲得や商品PRの絶好の機会です。しかし、ただ参加すれば良いというものではありません。成功のためには戦略が必要です。」

2. BCA戦略の紹介

次に、展示会成功のための基本戦略であるBCA戦略について紹介しました。
「BCAとは、Before(事前準備)、Communication(当日のコミュニケーション)、After(事後フォロー)の頭文字です。この3つの段階それぞれで戦略を立てることが重要です。多くの企業が当日のコミュニケーションにばかり注目しますが、実は事前準備と事後フォローが成功の鍵を握っています。」

※展示会成功のBCA戦略セミナーの詳細なカリキュラムは以下から閲覧可能です。
https://jairo.co.jp/seminar-menu/18054/

3. ビフォー戦略の重要性(B)

次に、ビフォー(B)戦略の重要性に焦点を当て、パンフレットの作成について次のように解説いたしました。

「展示会の成功は、実は当日よりも事前の準備にかかっています。特に重要なのがパンフレットです。皆さん、パンフレットの表紙と裏表紙は何を書くべきだと思いますか?」参加者からは「会社名」「商品の特徴」などの回答がありました。

「実は、表紙と裏表紙には顧客の『インサイト』、つまり潜在的なニーズや悩みを反映させることが重要です。なぜなら、多くの来場者は全てのパンフレットを詳細に見ることはなく、表紙や裏表紙の印象で開くかどうかを判断するからです。例えば、『金曜日の夕方の急な見積もり依頼でお困りではありませんか?』といった具体的な悩みに訴えかける文言が効果的です。」

4. 当日のコミュニケーション戦略(C)

続いて、展示会当日のコミュニケーション戦略について詳しく説明しました。

「展示会当日、最も重要なのは『聞く』姿勢です。『ゆっくりした間で入る』という言葉を覚えておいてください。これは、ゆっくりと相手の話を聞き、信頼関係を築くことを意味します。多くの出展者が自社の説明に終始しがちですが、まずは相手の話をしっかり聞くことが大切です。」

ここで「7(セブン)ヒッツの法則」についても触れました。

「重要なキーワードを7回繰り返すことで、相手の記憶に残りやすくなります。例えば、御社の強みを7回、様々な角度から伝えてみてください。ただし、くどくならないよう、表現を変えながら自然に伝えることがポイントです。」

5. アフター戦略の重要性(A)

アフター戦略の重要性についても詳しく説明しました。「展示会後のフォローアップも成功の鍵です。特に、手書きのお礼状は効果的です。デジタル全盛の時代だからこそ、手書きの温かみが相手の心に響くのです。また、名刺管理ツールの活用も重要です。例えば、Eightというアプリを使うと、相手の異動情報なども後からわかるんです。これを活用して、長期的な関係構築につなげることができます。」

6. 顧客心理の理解

次に、顧客心理の理解について話しました。「B2B取引でも感情が重要な役割を果たします。特に、現場の担当者は自分の仕事が楽になるかどうかを重視します。『御社のメリットになります』ではなく、『あなたが楽できます』という切り口の方が効果的なんです。例えば、『この商品を導入すれば、あなたの残業時間が減ります』といった具体的なメリットを伝えることが大切です。」

7. 差別化の重要性

続けて、差別化の重要性についても触れました。「多くの中小企業は明確な差別化要素を持っていません。しかし、些細なことでも言語化し、顧客に伝えることが重要です。例えば、『金曜日の夕方の急な見積もり依頼にも対応可能』『24時間365日のサポート体制』といった、顧客の具体的な悩みに寄り添った差別化ポイントを見つけてください。これらは大企業にはできない、中小企業ならではの強みになります。」

8. ジャム理論の活用

ジャム理論について詳しく説明しました。「ジャム理論をご存知ですか?これは、選択肢を絞ることで購買率が上がるという理論です。ある実験では、24種類のジャムを並べた場合と6種類のジャムを並べた場合で購買率を比較しました。結果、6種類の方が購買率が高かったのです。展示会でも同じことが言えます。多くの商品を並べるよりも、ターゲットを絞って少数の商品に注力した方が効果的なんです。」

※ジャム理論については、以下のサイトなどでも開設されていますので、気になる方はこちらもお読みください。
https://seeds-create.co.jp/column/jam-study/

9. リスク管理の重要性

最後に、リスク管理の重要性について触れました。「展示会出展に伴うリスクも考慮する必要があります。特に、知的財産権の保護については、事前に対策を講じておくことが重要です。展示会で注目を集めた商品が模倣されるケースもあるんです。例えば、事前に特許出願をしておく、展示会で公開する情報を慎重に選ぶなどの対策が考えられます。」

10. 質疑応答

セミナーの終盤には、参加者から多くの質問が寄せられました。

「具体的にどのように商品を絞り込めばいいですか?」

この質問には、次のように答えました。
「自社の強みが最も活かせる商品に焦点を当てることが大切です。また、ターゲット顧客のニーズに最も合致する商品を選ぶことも重要です。」

質問した方は、自社の強みが生かせる商品という返しに、強く納得されている様子でした。

続けて、質問が飛んできました。

「手書きのお礼状は、どのくらいの長さが適切ですか?」

この質問に対しては、こう答えました。
「短くても心のこもった内容であれば十分です。相手の印象に残った点や、今後の展開への期待などを簡潔に書くのが良いでしょう。」

最後に、以下の質問が参加者から寄せられました。

「展示ブースのデザインについてのアドバイスはありますか?」

この質問には、「シンプルで分かりやすいデザインが効果的です。特に、遠くからでも一目で何の展示かわかるような大きな文字やイメージ画像を使うことをお勧めします。」という風に答えました。

このように、参加者からの具体的な質問にも柔軟に対応し、皆様のお悩みを解決するための手助けになれたかと思います。

おわりに

最後に、米子商工会議所への感謝の言葉を述べ、セミナーを終了しました。

「このようなセミナーを企画・開催してくださった米子商工会議所の皆さまに心より感謝申し上げます。地域経済の活性化に向けて、今後もこのような取り組みが続くことを期待しています。皆さまの展示会成功を心よりお祈りしております。」

参加者の皆さまの熱心な姿勢に励まされ、次回以降のセミナーへの意欲が高まりました。展示会成功のノウハウを学び、実践していただくことで、皆さまのビジネスがさらに発展することを心より願っています。
展示会は単なる商品展示の場ではなく、顧客との関係構築の機会であり、自社の価値を伝える絶好のチャンスです。ぜひこの機会を最大限に活かし、ビジネスの新たな地平を開いていただければ幸いです!

次回セミナーについて

次回からは、商品の魅力アップ方法、展示ブースの作り方、商談のロールプレイングなど、より具体的な内容に入っていきます。特に、商品の魅力をどう言語化するか、効果的な展示ブースのレイアウトはどうあるべきか、といった実践的なテーマを扱いますので、ぜひ次回以降もご参加ください!

※現在もセミナー参加者は募集中ですので、ご興味のある方は以下のリンクよりご応募ください!
第一回 場所:オンライン、日時:7/24(水)14:00~17:00
第二回 場所:米子商工会議所、日時:7/31(水)14:00~17:00
第三回 場所:米子商工会議所、日時:8/8(水)14:00~17:00
https://www.yonago.net/cgi-bin/entry/index.cgi

担当講師

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