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事業承継の課題と進め方・前編

事業承継の課題と進め方・前編


20年で経営者年齢も高齢化

日本の中小企業の事業承継がなぜ大きな問題になっているのか。二つの要素があると感じています。一つは親族などの人的関係。大企業の場合あまり関係はないのですが、中小企業は親子や兄弟の関係がからみ合い、それがこじれてしまう。二つ目は事業承継自体、明日とか来年だとかの直近の課題ではないと考えがちなこと。だから経営者としてすぐに解決しようという意欲が湧かない。このため事業承継は何年も前から中小企業の最大の経営課題といわれながら、ほとんどの会社で進展を見ていないのが実情です。

2017年の中小企業白書によると、経営者の年齢のピークは2015年までの20年間で47歳から66歳になっています。要するにこの20年間、ほとんど経営者が交代していないということですね。ということは、ほとんどの中小企業が事業承継の問題も解決できていないということになります。

 

廃業の決断にもさまざまな理由が

岡野工業という有名な中小企業があります。岡野雅行さんという名物社長がいて極細の「痛くない注射針」をつくっている会社ですが、会社を家族に引き継がず2020年に閉じてしまうという記事が出ていました。後継者の資質、事業の成長性、会社資産の処分という三つの課題を考慮した結果、廃業という決断を下されたのです。

中小企業庁の資料によれば、社長が60代、70代、80代の会社の半分ぐらいは事業承継の準備をしていない実態がうかがえます。では事業承継の準備で何をするのか。まず後継者を探し、誰にするのかを決めなければいけない。それから株や事業用資産の整理と後継者への移転。要するに相続の問題ですね。そして経営承継の問題。これは資産の承継ではなく、これまで培ってきたノウハウや事業のやり方をどう引き継いでいくか。大きく分けると、この三つになるかと思います。

後継者の選定状況をめぐるデータが中小企業白書にあります。中規模法人で「後継者が決まった」「後継者候補がいる」は全体の約三分の二に上り、逆に三分の一は「後継者候補がいない」「未定」となっています。このうち後継者候補を見ると「親族内」が約三分の二で残りの三分の一が「親族外」。さらに親族外では「親族以外の役員や従業員」が全体の9割を占め、残りが「社外の人材」。おそらく社外からヘッドハンティングしてくるようなケースでしょう。

 

継続は経営者の社会的責務

私は経営で一番重要なのは「継続」だと考えます。続けることができなければ、すべてを無にすることになるからです。取引先に迷惑をかけるし、なにより従業員の生活を奪ってしまう。これは絶対避けるべきことです。「ゴーイング・コンサーン」という言葉があります。「継続企業」という意味ですが、日本はゴーイング・コンサーンを地で行く会社が非常に多い。企業は人間と異なり、「死」を前提にしていません。貴重な雇用の場であり、社会に必要な商品やサービスを提供する生産活動の源です。そのため会社が倒産や廃業をしないよう半永久的に継続していくことは社会的責任であり、経営者にとって最も重要な責務といえます。

そのためには何が必要なのか。現社長と後継者の認識を一致させること。両者できちんと話し合い、価値観を共有することです。私は中小企業へコンサルティングに行って後継者の方によく話をうかがう機会が多いのですが、後継者と現社長である父親とがまともに話をしていない会社が非常に多い。親子だからこそ、照れがあったり、親が一方的に意見を言ったりという関係の会社が多い。そこがまずクリアしなければいけない課題だと思います。もちろん社長の方も「とにかく継いでくれ」というヘルプを出さないとダメです。助けてほしいと言うわけですね。これがないとなかなか次には進めません。

事業承継は業績向上とセットで考える必要があります。小規模企業白書のデータを見ると、事業承継する直前の業績傾向は「横ばい」が半分近くを占め、「下降基調」が約3割、「上昇基調」が約2割。ところが事業承継後は「上昇基調」が6割近くを占めています。これは偶然ではなく、必然的にこうなるということです。新社長が新たなチャレンジをすることで業績が上がってくる。だから私が後継者に求めたいのは新規事業へのチャレンジです。もちろん成功するかどうかわかりませんが、親族や第三者に継がせる意味は新しいことをやって売り上げに寄与することにこそあるのでしょう。

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西村 伸郎(にしむら のぶお)

大阪大学大学院 修了。富士ゼロックス株式会社の研究所に勤務し、記憶装置などの研究業務に従事する。その後、研究企画・管理部門を経て、設計開発、製品リサイクルなどを統括する立場で経験を積む。平成16年、富... » もっと見る

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