創業を考える(第2回) “成功は運、失敗は実力”
創業のための勉強として「成功した人の話を聞く」といったことは多い。それはそれで意味は
ある。しかし、だからと言って、若手創業人として著名なホリエモンこと堀江氏の話を聞き、
その真似をしたからといって堀江氏のようになれるとは限らない。むしろ、なれないケースが
大半だろう。
成功は実力に加えて運といった面もあることは否定できない。運というものはその個人に固有の
ものであり考え方や形を真似したからといって、つくというものではない。それが証拠に
「黄色のモノを東の方角に置いておいたら」全ての人が金持ちになる、ということはあり得ない。
自らの運、すなわち成功を信じることは決して悪いことではないが、運というものは計算する
ことは難しく不可解が伴うものであり、運が頼みというのでは成功は覚束ない。反面、失敗は
実力の不足に起因している場合が殆どである。だから、運は計算できないが、失敗は計算できる
ことが多いのである。
要するに成功は運、失敗は実力と言う所以である。
成功するから継続するのでは無く、継続するから成功のチャンスに出会う。
誰しもが創業そして成功を夢見る。そして、「成功することによって事業は継続でき成長を
手にすることが出来るだろう」と考えている。しかし、先にも言ったように成功は運に負う
ところが少なからずあるのだ。結局、成功することを前提に事業が計画されると、運を頼りに
した多分に不安定な経営体質になってしまう恐れがあるのである。
してみると、創業は成功するから続くのでは無く、「続けることによって成功のチャンスに
出会う」のであり、チャンス(運)との出会いにより飛躍的に発展すると思った方が合理的で
あろう。運というものは巡ってくるのであり、その運が巡って来た時に「事業を続けている
ことで運に乗り成功をモノにすることになる」のだ。
要するに、成功するビジネスモデルではなく、事業として続けることの出来る失敗しない
ビジネスモデルの構築と事業計画が、成功を約束するのである。
創業における基礎知識の欠如、根拠のない自己過信、業界情報の不足、資金計画の不備等、
失敗の原因は多岐にわたっている。しかし、こうした失敗を徹底的に検証そして計算すれば、
失敗しないビジネスモデルとビジネスプランの構築は可能である。そして、失敗しない
ビジネスを継続することで、大きな成功と富を手中にするチャンスを掴めるのである。
以上の観点から、本編は従来のサクセスストーリーを中心にした「創業コラム」とは一線を
画した「失敗しない創業完全マニュアル」とする。そのため、創業(経営)に関する
基礎の基礎からスタートすることになる。
自己責任を言われる現在のビジネス環境にあって、本編は単に独立創業に資するだけでは
なく、現状のビジネスの高度化にも価値を持つものである。
(3)に続く。
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