SWOT分析(スウォットブンセキ)

SWOT分析とは?

SWOT分析の図SWOT分析とは、企業が戦略立案する際に使われる分析手法です。
組織の『外部環境』から
機会(O=opportunities)と
脅威(T=threats)と、組織が持っている『内部環境』強み(S=strong)と
弱み(W=weaknesses)の4つの切り口から現状を分析し、事業戦略を立案するために役立つ考え方です。

swot

外部環境(機会と脅威)を知る

まずは、外部環境を明確にしましょう。
事業を成功に導くためには、その環境を知らなければなりません。
例えば、ラーメン屋を自宅のそばに開店したいという人がいたとします。ところが、自宅のそばには平日でも行列が出来るような人気店が2軒あり、他の店は閑古鳥が鳴いています。このような状況で、お客様に来ていただく事が出来るのでしょうか。
競合店と同じような事業であれば、やはり閑古鳥が鳴いてしまうかも知れません。

このように外部環境の変化を適切に捉えて、それぞれに合わせた戦略を考えていくことが重要です。

例えば、前述のようなラーメン店が醤油トンコツを売りにしている事が分かっていれば、人気ラーメン店とは味を変えて味噌ラーメン中心にすることで競合関係から脱却する事も出来ますし、極端な話し、ラーメン屋以外の店舗にすると言った選択肢も考えられるでしょう。
これもあらかじめ外部環境を知っているからこそ出来ることでしょう。

内部環境(強みと弱み)を知る

次に内部環境を明確にする必要があります。
事業を成功に導くためには、自分自身の資産を明確にし、最大限に活かしていかなければなりません。その為に行うべきは、自分自身の資産を客観的に棚卸しし、強み・弱みを把握することです。
人間とは、「他人のことは良く見えるが、自分のことは見えない」ものです。もちろん事業活動も同様で、ともすると他社の事は良く見えるが、自社のことになると全く見えていない企業が多数見受けられます。

ちなみに、自分自身の資産を大きく分けると「ヒト・モノ・カネ・情報」に分けることが出来ます。

SWOT分析から戦略立案の考え方

好影響 悪影響
内部環境 Strength(強み)・製品品質は優れている・安定した顧客が多い・社内の雰囲気が良い

→強みをより強く

→コアコンピタンス確立

Weakness(弱み)・数年間利益が低下している・営業と製造の間の連絡が悪い・原価が正確に把握できない

→弱みを顕在化させない

→アウトソーシングの検討

外部環境 Opportunity(機会)・納期短縮が重視されてきた・海外からの引き合いがある・他系列からの引き合いもある

→機会を逃すな

→アジャイルな対応

Threat(脅威)・納期短縮の要請が強い・低価格の海外製品が参入した・系列取引が減少している

→脅威を機会に転じる

→発想の転換

 クロスSWOT分析

クロスSWOT分析とは、前述までのSWOT分析をベースとして強み・弱みの内部環境と機会・脅威の外部環境をクロスさせ、様々な戦略オプションを検討する手法です。

具体的には、
「強み×機会で積極的攻勢」・・・自社にとっての強みに、事業機会をぶつける!
「強み×脅威で差別化戦略」・・・他社にとっての脅威でも、自社の強みをぶつけて機会にする!
「弱み×機会で弱点強化」・・・事業機会があるので、自社の弱みを改善するか大損しない!
「弱み×脅威で防衛策」・・・業界の脅威と自社の弱みで、撤退しない為には!

クロスSWOTでは自社の現状分析を元に、それぞれ4つの戦略オプションが生まれます。これらの戦略オプションから自社の大きな戦略の方向性を絞り込み、次なる手を打っていく為のベースとなるわけです。

クロスSWOT分析を行う際の手順・留意点

クロスSWOT分析を行う場合の留意点は下記のとおりです。
内部環境の強み・弱みにはヒト、モノ、カネの経営資源について記入します。
外部環境に何を書くかは、それほど容易でありません。貴方が感じたまま、機会あるいは脅威と感じたままを、まず書くことをお勧めします。
最も成功の可能性の高いのは「積極的攻勢」の戦略です。すなわち、機会が近づいているなら、その時期を見て、強みを活かした攻勢を一気にかける(強みを機会に投じる)ということが必要です。
「積極的攻勢」がうまく書けないのは、外部環境に書いたものがしっくりしないと考えられます。外部環境の箱に戻って書き直すことをお勧めします。
SWOT分析から戦略立案を考えることは、変化の時代にどう対応していくか決める場面で、極めて有効な手法です。
既存の会社・店について、「専守防衛または撤退」にも注力して書いてみましょう。事業には、攻める局面と同時に、撤退・防衛の局面も重要です。

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