「ローカル・中小企業」の差別化戦略 ~「1/10,000マーケティング」理論の序説(3)

大木ブログ講師ブログ

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古今、全ての戦略の要諦は「戦わずして勝つ」にある。

「戦わずして勝つ」とは、実際に戦闘や争いを行わずに、
戦略や計略によって勝利を得ることを指し、孫子の兵法は
「戦わずして勝つ者こそ真に善の善者である」という。
競争すれば、勝者も敗者も多少の差はあれどもダメージを
負うことになる。ましてや、同質化競争になれば小が大に
勝ることはあり得ない。
同質化を避ける要点は「差別化戦略」にある。

差別化戦略については、マイケル・ポーター(経済学博士、
ハーバード大学大学院教授)が著書『競争戦略』の中で、
競争戦略の3つの基本タイプ(コストリーダーシップ、
差別化、集中)を提案した。
 
差別化戦略は、企業が他の競争企業とは異なる製品やサービスを
提供することで、顧客から高い評価を受け、競争優位を築く
ことを目指す戦略の一つである。

近年では、新たな差別化戦略として「ブルーオーシャン戦略
(INSEAD欧州経営大学院 教授W.チャン・キム、
レネ・モボルニュ)」が注目されていた。

ブルーオーシャン戦略とは、競争が少ないまたは存在しない
新しい市場(青い海)を創造し、従来の競争の激しい市場
(赤い海)から離れることを目指す戦略である。
このアプローチでは、企業は独自の価値提案を通じて競争を
無視し、新しい市場で利益と成長を追求することができる。

ブルーオーシャン戦略は、イノベーションと価値創造に重点を
置いており、市場のルールを再定義することで競争他社とは
異なるビジネスモデルを確立することを目指している。

これらの差別化経営戦略は依然として「先駆者」「大手企業」に
有利に働き、ローカルの中小企業が大手のやったことを
そのまま真似する形で後追いすると「同質化の罠」にはまって
しまう可能性も高く、ローカル・中小企業の経営に取り入れる
ことは難しい。

◎「1/10,000マーケティング」とは

●どんなにクセのあるモノでも商品として造られたものなら、
買いたい人は1万人に1人は必ずいる
●「1万人に1人」でも、ネットを通じて人口の大きい
都市部や全国規模を対象にすれば、ビジネスを構成し得る
顧客数が確保できる
●ローカル性とは地域自然の風光、伝統、文化であり、それに
立脚した製品・商品は他には真似のできない強い差別化力を
持っている
●ローカル性の高い商材はDXを通じ効果的かつ効率的に
大都市圏へと発信されることで確実な強みに変わる

すなわち、「1万人に1人には買いたいと思わせるローカル性を
軸にした商材を、DXを通じ大都市圏へと発信する」ことで、
ローカル・中小企業の売上と粗利を引き上げ活路を開く
というビジネス戦略である。

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