減り続ける「ローカル・中小企業」 ~「1/10,000マーケティング」理論の序説(2)
前回の記事↓
我が国の企業数は約359万者(2016年)で、1999年の485万者
から大幅な減少となっており、一時は下げ止まったものの、
今後はさらに減少化が加速する恐れが指摘されている。
このまま推移すれば、今後の5年間で100万社が潰える
可能性を指摘する識者もある。
小規模企業の多くはローカルに在り地域の経済と経営者
家族も含む域内雇用を支えてきた。
しかし、戦後のベビーブームによる域内の人口急増を背景に
事業拡大を続けてきた多くの事業所が少子高齢化という
背景の逆転現象に対応し得ずに事業を閉じていったのだ。
「負の連鎖」という現象がある。例えば、地域の商店街で隣が
空き店舗になると業績が下るケースが多く、両隣が空き店舗に
なると如何に頑張っていても業績が急激に下がり閉店に
追い込まれるケースが圧倒的になる。
そして、アッと言う間に「シャッター通り」になってしまう。
「空き店舗が空き店舗を増やす」という負の連鎖である。
事業承継問題も後継者がいないということでは無く、
業績が下り、跡を継いでも「食べられない」可能性が高い
ということが主因である。
問題の本質は「域内の供給量を消費量が遥かに下回っている」
ということであり、従来型の地域型活性化策は殆どの地域で
実効性を得られなくなっている。
小さいエリア(市町村)ほどマイナスの影響は早く大きい。
このまま行けば、やがて地域行政自体が立ちいかなくなるのは
自明かも知れない。
なぜ、こんなことになってしまったのか?
ローカルの中小企業が激減したのは「同質化」と「近代化」を
勘違いしたからである。
戦後の日本経済は「キャッチアップ」型で進められ、
先進国アメリカに追いつけ追い越せとばかりに欧米指向に走った。
それは、やがて地方は都市部(東京)を「真似ることで近代化して
行くべきだ」との方法論となり、経営の近代化・合理化が
進められたのである。
しかし、それは、真似ることで中小と大手の同質化を生む
という皮肉な結果をもたらしてしまった。
「売れ筋」指向が重視され、東京(都市部)で売れたモノを
仕入れて、東京風に売り込むという手法が重視されるように
なっていった。いわゆる、東京(都市部)の真似による
地域商業の近代化だった。
次回は、同質化を解消する差別化理論について解説していきたい。
第3回の記事は↓
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