キャッシュレス導入シリーズ~女性達の目線からメリットを探る
キャッシュレス決済が一般的になることで、デジタル社会がまた一段と進むことになります。アナログからデジタルへ移行することで利便性が高まることが期待されますが、同時に技術の更新に付いていけるだろうか? と不安を感じるケースもあります。今回は弊社スタッフの女性達が集まり、キャッシュレス決済について意見を出し合いました。
実際どのくらい浸透しているのか
まずはキャッシュレス決済の利用状況について。4人集まった中で『キャッシュレス決済を生活費に利用している』のは2人でした。『ポイント還元について意識しているか?』については「10月に入ってからは、大きな買い物はしていない」ことから、あまり意識していないようです。キャッシュレス決済の用途は「カフェなどの嗜好品に利用する程度」「家族に使うように言われて、しぶしぶ」。あまり乗り気ではない様子が伺えます。それはなぜなのでしょうか?
キャッシュレス決済、本当のところ誰得?
キャッシュレス決済に対して意欲的になれない理由には、下記のような声がありました。
- 支払い用のアプリと、ポイント用のアプリとを別々に開かないといけなくて、手間がかかる
- お店によって対応しているアプリが異なる場合があるので、お店によって使い分けるのが大変
- カード払いはこれまでも利用していたので、キャッシュレス推進について特に意識はしていない
- 消費税増税に見せかけ便乗値上げされていることがあるので、この時期に特に買いたいと思わない
筆者自身も感じていることですが「支払い」と「ポイント取得」が別々のアプリで管理されていると、非常に面倒です。忙しいと細かなことを忘れがちになるので、ポイントを受け取り損ねてしまわないだろうか? と不安になります。
提供されているキャッシュレス決済のアプリがいくつもあるため「どのお店で」「どのアプリが使えるのか」を把握するのは非常に厄介です。一度実際に使ってみて、使えることがわかればそのお店では安心して使えますが、また次回まで使えるアプリを憶えておかないといけません。また、アプリごとに利用金額の「チャージ」を行うため、それぞれのアプリにいくら使える金額が残っているか、気になって仕方がありません。お店に入る時には買う物のことばかり考えているので、支払いのことまでなかなか気が回りません。品物を手に取りレジに行ってはじめて、「あっどのアプリで支払うんだっけ」と気がつきます。そこからアプリを起動してチャージ金額が少ないことに気づき、結局現金で支払うことがありました。
クレジットカード、デビットカードを既に活用されている方にとっては、アプリを通して決済するシステムは単に面倒が増えるだけかもしれません。カード払いでも、下記2点を満たすことでポイント還元が受けられます。
- キャッシュレス・ポイント還元事業者のカードを利用する
- キャッシュレス・ポイント還元事業に登録している店で購入する
消費者目線からは「消費税増税分に見せかけた、便乗値上げがある」ことを敏感にキャッチされている方もいました。増税分の出費をコントロールするために、消費者の「適正価格であるかどうか」に対する目線は厳しさを増しているようです。
意外と不人気なキャッシュレス決済アプリ
今回の座談会では4人の女性に集まって頂きましたが、PayPayなどのキャッシュレス決済アプリに関するおすすめ情報は出ませんでした。キャッシュレス決済を利用するために面倒だが使っている、という意見が出た程度でした。筆者自身もアプリをいくつか試しましたが、バーコードやQRコードを表示したり、ポイントアプリを起動したり、手間に感じてしまってなかなか気が進みません。現在はApple Payを主に使用しています。
キャッシュレス決済アプリの大規模キャンペーンをこれまでに何度か目にしたことがあり、大きな話題となっていたイメージから利用者が沢山いるものと思っていましたが、身近ではあまり浸透していないことがわかりました。
結局「便利って得だよね」
便利であることは良いことです。人を便利に使うのはいけませんが、物は便利であればある程、心と時間の余裕を生み出してくれます。
座談会の中で挙がった、キャッシュレス決済のメリットをまとめました。
やり取りするお金の額を間違えることがなくなる
金額の間違いは特にレジ担当者にとって負担です。電子化により間違いがなくなることは、レジ担当者のストレスを減らし、購入者側としてもお釣りを確認する必要がなくなるので、非常に便利です。
お金を数える手間が減る
現金を数える手間は、キャッシュレス決済を利用するようになってはじめて感じるようになりました。一度利用し始めると、どの支払いもキャッシュレスで済ませられないだろうか? と考えるようになりました。レジでのやり取りを考えれば、現金で支払う時はまず支払い側がお金を数え、レジ担当者がまたお金を数えます。2人分、同じ手間をかけていることになります。このやり取りを減らせれば、2人分の労力と時間をわずかにでも減らせます。レジ担当者であればその回数を考えると膨大な時間になるでしょうし、購入者側としても自分の時間の無駄が減るのはありがたいのではないでしょうか。
お金を持ち歩く必要がなくなる
現金の、特に小銭は溜まってしまうと重くなります。お金持ちになるには長財布を使いましょう、とよく聞きますが、長財布にすると手持ちの小銭が見やすくなり、自然と小銭を溜めなくなります。お金に対する意識を変えるための入口として、なるほどなぁと思います。心や時間に余裕がないとき、小銭を数えるのが面倒になって、財布に小銭が溜まりがちになります。小銭は意外と重いものです。お札は重さが気になりませんが、沢山持ち歩くのはやはり防犯上気になります。なるべく現金を持ち歩かなくて済むキャッシュレス決済は、手元にいくら用意しておかなければならないか? 気にする必要がなくなり、日常のストレスが一部軽減されます。
「こうならいいな」消費者目線からの希望
皆さんの意見から、消費者から見たキャッシュレス決済への希望は2点あることがわかりました。
- アプリの使いやすさ
- アプリが使えるお店が多いこと
1.筆者が確認したところ、アプリによってはポイントシステムが一体化しているものもありましたが、実際にアプリをダウンロードして確かめてみなければ使いやすさがわかりません。ポイント還元されても、ポイントを使えるお店が少ない、またはわかりにくいと、ポイント還元によるメリットは感じにくくなってしまいます。ポイントを貯めやすく、使いやすいアプリが望まれます。
2.は使えるお店が多いアプリなら、使い続けられる可能性は高くなります。お店ごとにアプリを使い分けるのは、各社のキャンペーンを使いこなすなど、よほど詳しければメリットがあるかもしれませんが、それだけの時間と労力が割けるかというと、なかなか難しいところです。
導入を検討してほしいキャッシュレス決済システム
これらの結果から、商店・企業でのキャッシュレス決済システム導入について、下記がお勧めできると考えました。
- 地域で導入ケースの多いアプリを優先する(実店舗がある場合)
- 実際に自分で使ってみて、使いやすいものを優先する
- まずはクレジットカード・デビットカードへの対応から検討する
日常的な出費はやはりどうしても住んでいる地域がメインとなります。地域で多く利用されているシステムがあれば、導入しておいた方が地域住民に利用されやすくなります。
事業主や社員が実際に使用してみて、これは使いやすい! と思うものがあれば、キャッシュレス・消費者還元事業によりキャッシュレス決済端末や設置の支援が受けられる今の内に、導入しておいたが方が良いでしょう。
様々なキャッシュレス決済のシステムを一度に導入することを考えると、気が重くなってしまうかもしれません。今後キャッシュレス決済に慣れた人が多くなっていくと、現金のみの扱いではキャッシュレスを優先する顧客を逃してしまうと考えられます。クレジットカード・デビットカードでの支払いで、ポイントを貯めたりキャッシュバックを得たりしている人達は、カード払いを優先したがります。まずはカード払いだけでも対応することで、カード払いを優先したい顧客を逃さず売り上げることが期待できます。
事業主が高齢化していると、今回の消費税増税を機に廃業をお考えの方も多いと聞きます。私には事業を運営する大変さはわかりません。しかし毎日のように地域の商店を利用し、恩恵に預かっている身としては、その価値は十分過ぎるほどに感じています。その店が続いてきたからには、必要としている顧客がいます。できれば続けてほしい、そう思います。
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