1万分の1マーケティングセミナー(紋別商工会議所)のセミナーレポート

みなさん、こんにちは。先日、紋別商工会議所主催の特別セミナーに登壇させていただきました。今回のテーマは「ローカル中小企業こそ儲かる時代 – DXを活用して日本全国のお客様を獲得する方法」。オンラインでの開催ということで、私は東京からリモートで参加しましたが、画面越しにも紋別の皆さんの熱気が伝わってきました。

私は10年以上、北海道の中小企業の皆さんに寄り添い、伴走してきました。今回、この紋別の地で、ローカル企業が生き残るための処方箋をお伝えできたこと、これ以上の喜びはありません。紋別の皆さんの前向きな姿勢に感銘を受けつつ、今日のブログでは、セミナーの内容を振り返ってみたいと思います。

まず何より強調したのが、「情報発信の重要性」です。私はよく言うのですが、情報がないのは、それがないのと同じこと。特に、紋別の素晴らしい特産品を、東京をはじめとする全国の人々に知ってもらうためには、デジタルを活用した情報発信が不可欠です。DXの力によって、遠く離れた土地同士が直接つながり、新たなビジネスチャンスが生まれる時代。その波に乗れるか乗れないかが、ローカル企業の明暗を分けることになるでしょう。

情報発信において、私が提唱する3つの原則を改めて共有させてください。

1つ目は「情報がないとそれはないのと同じ状態になる」ということ。情報を発信しなければ、そもそもあなたの会社も商品も、お客様には存在しないのと同じなのです。

2つ目は「情報はそのものに価値はなく、使えてこそ意味がある」ということ。いくら良質な情報でも、それを使えるアクションに移せなければ意味がない。情報を「使える」形に落とし込む工夫が肝要です。

そして3つ目が「情報は情報量で価値が決まる」ということ。誰もが知っているありきたりな情報ではなく、希少性のある価値ある情報を発信することが何より大切。きめ細やかなマーケティング戦略なくして、DXの成功はありません。

次に力説したのが、「肝心要(かんじんかなめ)の2割」に集中するということ。ビジネスで成功するためには、全体の2割の最重要事項に注力し、8割のどうでもいいことは思い切って無視する。そのメリハリが極めて重要だということ。パレートの法則の考え方を応用すれば、少ない労力で大きな成果を生み出せるはずです。

ここからは、ローカル企業が直面する厳しい現実について言及しました。なぜ多くの地方企業が、売上や利益を伸ばせずに苦戦しているのか。その理由は大きく2つあります。

1つは、地域内の少子高齢化と都市部への人口流出によって、顧客が減少していること。紋別も例外ではなく、地元マーケットは確実に縮小傾向にあります。

そしてもう1つが、大企業の戦略をそのまま真似る「同質化競争」に陥っていること。資本力や知名度で劣るローカル企業が、大手と同じ土俵で勝負しても勝ち目はありません。真似をするのではなく、差別化するべきなのです。

この同質化競争から抜け出すには「差別化」しか道はない。紋別ならではの食材や文化、伝統を活かした商品を開発し、ストーリー性を持たせること。ただし、それを東京など大都市の顧客に届けるには、デジタル技術の徹底活用が不可欠。ここに「攻めのDX」の本質があると私は考えます。

「差別化」という点では、私の持論である「1万人に1人」の法則も役立つはずです。ニッチで個性的な商品でも、日本全国に情報を発信すれば必ず1万人に1人は買ってくれる。そのコアなファンをどう開拓し、リピーターにしていくか。ここにこそ、ローカル企業生き残りのカギがあるのです。

また、ECサイトの活用方法についても言及しました。大切なのは、ただ商品を並べるだけでなく、そこに込められたストーリーや店主の思いをしっかりと伝えること。東京の人たちが、紋別という土地に懐かしさや親しみを感じ、共感してもらえる。そういった感情的な絆こそが、ファンを増やす近道になるはずです。

デジタル化の最大のメリットは何と言ってもコストの大幅削減。東京に実店舗を構えるとなれば、家賃や人件費で莫大なコストがかかります。しかしネットを使えば、ほぼゼロ円で東京の顧客とつながることができる。ただし、そのためには、ITツールを使いこなす「デジタル人材」の力を上手に借りることが肝要。社長たるもの、うまく人を活用することが何より大切だと私は考えます。

セミナーの最後に、私は参加者の皆さんにエールを送りました。変化を恐れることなかれ、と。今こそ、新しいチャレンジをすべき時だと。かつての売上3000万円時代に戻れるどころか、1億円企業への道だって決して夢ではない。DXを活用し、新しい顧客を獲得する。そのための創意工夫を凝らせば、道は必ず拓けるはずです。

紋別の皆さん、ぜひ肝に銘じてください。地方だからこそ、デジタルの力でビジネスの可能性は無限大に広がる。私は必ずそう信じています。今こそ、その一歩を踏み出すとき。今回のセミナーが、皆さんの新たなスタートとなれば、これ以上の喜びはありません。

セミナー後、複数の参加者から、「大木先生の話は示唆に富んでいて、目からウロコだった」「早速、自社のDX化に着手したい」といった声をいただきました。苦境の中にあっても前を向き、活路を見出そうとする紋別の経営者の皆さん。その熱意と行動力こそが、この難局を乗り越えるための何よりの武器になるはずです。

私からも改めて、応援のメッセージを送らせてください。ローカル企業の皆さん、どうかDXを味方につけて、新たな時代を切り拓いてください。私も微力ながら、全力でサポートさせていただきます。皆さんの健闘と躍進を心から祈念しております。

今後も、こうした実践的なセミナーを通じて、地方の中小企業の皆様に寄り添っていきたいと思います。引き続き、ジャイロ総合コンサルティングをよろしくお願い申し上げます。

担当講師

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