継ぐスタスクール(日本政策金融公庫)の開催レポート
2023年12月9日は、日本政策金融公庫主催の継ぐスタスクールの講師としてジャイロ総合コンサルティングの大木ヒロシ講師、渋谷雄大講師が登壇いたしました。
おかげさまで、当日の受講者は100名以上となり、非常に高い関心をもっていただいたようで感謝です。
ちなみに「継ぐスタ」というネーミングですが、既存の会社の事業を受け継いでスタートするような創業スタイルを指し、日本政策金融公庫が主体となって普及促進を行っている新しい言葉です。逆に、ゼロから創業するスタイルを「ゼロスタ」と呼んでいますのでこれを機に覚えておきましょう。
さて、本題に入ります。
今回の講座は3時間の講座時間のなかで4部構成でしたので、非常に盛りだくさんの内容となりました。
第1部:What’s継ぐスタ「継ぐスタとは?」
日本政策金融公庫の方から継ぐスタのポイントと、実事例の紹介がありました。 https://www.jfc.go.jp/n/finance/jigyosyokei/matching/seiyaku/
上記サイトでは様々なマッチング事例も紹介されています。
ぜひごらんください。
第2部:創作カレーハウス印度屋を承継された「荒木様」との対談
第2部では、渋谷講師がインタビュアーとなって、荒木様がどのように事業承継に至ったのか?という点にフォーカスさせて頂きました。
日本政策金融公庫にも創作カレーハウス印度屋の事業承継事例として紹介されていますのでごらんください。https://www.jfc.go.jp/n/finance/jigyosyokei/matching/seiyaku/syosai202311_2/
わざわざ高崎からジャイロの事務所にお越しいただき、対談形式で60分お話しさせていただきました。
荒木様は病気を患ったことをキッカケに事業承継に取り組まれた方で、40年培ってきたチーズ焼きカレーの味を引き継いでくださる方を、5年間もかけて見つけられた方です。
ゼツ飯リストに掲載されたことがキッカケとなり、これまで多くの事業承継希望者からの問い合わせもあったそうですが、実際にお会いすると「夢は」持っているが、「資金が無かったり」、「事業計画ができていなかったり」と、甘い考えの方も多いようでした。
荒木様としては、長年愛着を持って経営をされてきた大切なお店だからこそ、しっかりと味を守ってくれる人、潰さない人(自己資金や事業計画をしっかりと考えている方)を見つけたいと考え、後継者候補の基準も明確にすることで、納得行く後継者に出会われたということです。
また様々な支援機関の協力を得ることで、効果的な事業承継につなげることができたことも非常に大きかったということです。
第3部:大木ヒロシ講師による事業承継のポイント「継ぐスタへの道〜地域を活かす、地域の起業資産活用〜」
第3部では、ジャイロ総合コンサルティングの創業者である大木ヒロシ講師による継ぐスタへの道について講義いただきました。
アンケートからも、大木講師の話しが目からウロコだった、などと真に迫る講義であり、第4部の青山社長も、大木講師の講座を一緒に視聴されており「すごい説得力で勉強になります」とつぶやかれるなど、高い裏付けと説得力を持った講座となりました。
講座のポイントは下記のとおりとなります。
- 休廃業した事業所の活用で賢い起業
- 企業倒産と休廃業・解散の推移
- 事業をやめたいと思っていないのになぜやめざる得ないのか?
- 野田市と野田商工会議所の取り組み
- 無形資産としての「信用」「看板」「歴史」の価値
- 新たなM&Aの可能性「オムニチャネル化」
- 継がせる側の「思いと狙い」
- 事業への思い入れに対する「意思の疎通」こそが事業承継の成否を分ける
- 「思い入れ」の理解に向けて「ミル」「キク」「ハナス」
- 継いで伸ばせるDX対応
- 1/10,000マーケティング「商品的ニッチと顧客的ニッチ」
- M&Aの損得勘定のポイントとは?
第4部:継ぐスタ実践者が語る!事業を受け継いだ青山社長との対談
第4部では、2社の事業を継いだ青山社長にお越しいただき、事業を継ぐに当たっての苦労や体験談をお話しいただきました。
下記は日本政策金融公庫の事例としても紹介されていますので併せてお読みください。https://www.jfc.go.jp/n/finance/jigyosyokei/matching/seiyaku/syosai202311_1/
青山社長が引き継いだ会社は、以下の2社になります。
代表の青山社長の経歴
1987年生まれ、埼玉県深谷市出身。早稲田大学法学部卒業。政府系金融機関、監査法人系コンサルティングファーム、日系大手メーカー事業企画を経て2021年に現職。会社員時代に後継者不足の企業と多く出会い、事業承継問題解決の一助となるべく独立。
青山社長は30代前半に、福島県の蒲田金属工業を引き継がれ、その後、小野製作所も事業承継をされた方です。
当日の対談では、視聴されている方から多くのチャット質問が飛び交い、活気のある対談になりました。受講者からも、リアルな話が聞けてとても参考になったと感想を頂きました。
青山社長は、製造業2社を引き継がれたわけですが、御本人は製造業の経験がありませんでした。前職で、関わりのあった業態の中で、製造業という業態には将来性を感じており、今回事業を引き継がれたそうで「伸ばせるイメージが持てることが重要」とお話されていました。
30代前半で事業承継をされた青山社長に対する質問で私も気になったのが、従業員とのコミュニケーション(向き合い方)。従業員や先代社長とのコミュニケーションは円滑であり非常に順調だということです。これは私も納得で、ご本人の人柄に加え、先代社長も引き継ぎ期間中に、積極的に従業員とのコミュニケーションの場を設けられていたようです。
対談を通じて、青山社長を一言で言えば「謙虚で誠実な人柄、そして思い切りの良い方。」という印象。非常に柔らかい物腰の方で、会う方々に対してリスペクトを持って接していることを感じさせます。そのような物腰だからこそ、周囲から支持され応援されるのだと感じました。
加えて、計画性をもって事業承継を成功させる点なども、受講者にとって非常に参考になったのではないでしょうか。
荒木様、青山社長、日本政策金融公庫の皆さま、受講された皆さま、ありがとうございました。
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