DX&AI&営業活用における経営指導員研修(神奈川県商工会連合会)の開催レポート

2023年8月3日(木)に神奈川県商工会連合会主催の経営指導員研修講師としてジャイロ総合コンサルティングの渋谷雄大が登壇いたしました。

テーマは、DX・AI・営業強化についてです。

経営指導はAIありきで進めないこと(目的に沿って)

経営指導員向け研修だからこそお伝えさせていたことが、AI活用ありきではなく、あくまでも支援事業者の課題解決のために最適な手段を考えるという立ち位置を明確にすることだと言えます。

新しい技術が登場すると、すぐに飛びついて、それを地域事業者に展開しようとする傾向もあるのですが、AI登場はひとつの強力な武器(ツール)ではありますが、それを活用すべき事業者とそうでない事業者がいる点です。

AIという武器の扱い法は、経営指導員としてしっかり理解しておく必要はありますし、どのような場面でAIを活用できるのか?という活用イメージを広げることが今回の指導員研修の目的とさせていただきました。

発展途上の仕組みだからこそ事業者と一緒に触っていく姿勢をもつ

今回の研修でもうひとつお伝えさせていただいたことが「伴走する」姿勢と行動。

とくにAI活用はまだまだ始まったばかりです。活用方法や可能性については、世界レベルでもまだまだ模索中の新しいテクノロジー。要するに、活用の正解はまだない状態なんです。

講師が「これが正解です!」というのは簡単ですが、実際、それではAI活用などの新しい技術を地域事業者に落とし込むことは難しいですし、流行りに乗っかっただけの浮ついた活用しか思いつきません。日頃から地域に密着し経営指導をしている立場のみなさまの現場に即した課題や悩み、それがAIで解消できるのか?という講師と経営指導員が一緒に考えていくことがほんとうに大切。でないと、研修を受けたけれど、実際には経営指導に活かされないということになってしまいます。

研修では、経営指導員の皆様と一緒にAIツールを触りながら現場でのAIツール活用のイメージと活用にあたっての「つまずきポイント」を対話形式で進めさせていただきました。経営指導の現場を想定して、ChatGPTや画像生成AIのLeonardAI、AIプレゼン資料作成ツールGamma、AI自動文字起こしのnottaなどを実際の経営現場のシチュエーションにあわせて本当に使えるの?という観点で実感を持ってもらえるように進行をさせていただいたわけです。

しかも今回の受講者のみなさまは、AI初体験(ニュースや知識としては知っているが実務では使っていない)ですので、まさしく地域事業者がつまずくポイントが良くわかる立場です。

ひとつひとつAIツールを操作しながら、一体全体、どの部分でつまずくのか?つまずいたらどう解消すれば良いのか?つまずかないためにどう説明すればよいのか?

そんなところを、経営指導員の皆さまと考える研修となりました。

経営指導や地域事業者につかえるAI活用の要点

会員事業者へのヒアリングと経営分析のAI活用について

会員事業者へのヒアリングと経営分析にAIを活用する方法について実際に体験いただきました。

  1. 自動文字起こしAIツールを使って、ヒアリング内容を自動文字起こしさせます。
  2. 文字起こししたテキストデータを、ChatGPTを使って要約させます。
  3. 要約させて内容を元に、ChatGPTに強みや弱み、機会、脅威に関してSWOT分析させます。
  4. ChatGPTに5FORCE分析をさせます
  5. ChatGPTにこの会社の経営理念案を10案だしてもらいます。
  6. ChatGPTに新しい販路の可能性について、アイデアを出してもらいます。

ChatGPTを使ったSWOT分析の結果

5FORCE分析の結果

経営理念案をだしてもらった結果

経営理念は、少し物足りなさがあったので、追加で改善案を出してもらいました。

今回は、実際の経営指導の現場での流れにそってAIをどう組み合わせるべきなのか?を実施してもらいました。

Gammaなどを使ったプレゼン資料作成

地域事業者にはプレゼン資料を作成する機会は少ないため、通常のプレゼン資料作成ではなく、例えば、展示会への出展など通常とは異なる場面での資料作成に活用する方法をお伝えさせていただきました。

商工会や商工会議所では、会員事業者に募集をかけて全国・地域の展示会(産業交流展など)への出展をおこなうことがあります。そのさい地域事業者にとっては未知の世界ですし、普段作ったことのない提案資料の作成などに対して億劫になってしまい参加を控えることも実際のところは多いわけです。

そういう時にGammaを活用して、普段作らないような資料を作らせるといった活用が考えられます。

画像生成AIの可能性

また昨日の研修では、画像生成AIのLeonard.aiというツールの実演を行いました。無料で1日150枚の画像が生成できる比較的新しい画像生成AIです。こちらは例えば、企業のロゴを作成したりする可能性はありますが、実際に触ってみた感想としては、多くの小規模事業者にはまだ早い。という印象でしょうか。

画像生成を使って自社の販促活動に取り入れられる小規模事業者はまだまだ少ない。経営指導員のみなさまと話していて、そんな話となりました。

ただし今後このような画像生成AIの分野は飛躍的に進化を遂げていきますので、こういうツールが存在していて何ができて、何ができないのか、を知っておくことは経営指導員として必要な事と言えるのではないでしょうか。

朝10時〜夕方4時まで長丁場にわたり、ご受講いただきありがとうございました。

SNSでセミナーの様子をチェック

#ジャイロのセミナー