若手経営者養成スクール(刈谷商工会議所)セミナーレポート

全5日間で開催された、刈谷商工会議所様主催の若手経営者養成スクールが無事に終了いたしました。
昨年にひきつづき2回目の若手経営者養成スクール。今年はあえて定員を少なくし、少人数制にした双方向型のセミナーといたしました。

カリキュラム

テーマ内容
1日目
時代を読む力と経営戦略
・会社経営における勘どころ
・後継者としての会社経営の実態
・新たな時代の経営戦略とビジネスモデル
2日目
次世代社長のリーダーシップ
・リーダーシップとは何なのか?
・経営観点からのリーダーシップ
・組織志向、親和志向、個人権力志向のリーダー
3日目
人材採用と育成・コミュニケーション
・自分を鍛える、人材を育てる
・デジタル人材の育成
・ITリテラシーの養成
4日目
経営と数字「計数管理」
・財務会計の流れを把握する
・決算書の読み方「損益計算書」「貸借対照表」
・資金繰りとは?
5日目
IT・DXを活用したイノベーション
・次世代経営者としてのイノベーションへの取り組み
・DXによってもたらされるイノベーションとは?
・DXを導入するメリットとプロセス

少人数型の講座で密度の濃い経営者養成スクールとなりました

最終回担当講師の高橋講師+受講者との記念撮影。
全9名のご参加でほぼ全員が最終回までご参加いただきました。

アンケート結果もおかげさまで好評で終わることができました。下記は全体の満足度ですが、9名中、7名が大変役に立った。2名が役立ったという結果に。↓↓

今回、講座を担当した講師数名からもコメントをいただいております。

最終回を担当した高橋講師からのコメント

2023年6月に5回にわたって実施された刈谷商工会議所「若手経営者養成スクール」の最終日を担当しました、講師の高橋浩士です。

この講座は、愛知県刈谷市内の中小企業の経営者・後継者・次世代幹部向けに「経営者歳の資質を向上させる」ことを狙いとして開催されました。

定員が10名と小規模で開催されたことと、私が担当したのが最終回で、
それまでの間に何度も参加者の方々が顔を合わしておいでだったこともあり、
すでに参加者の方同士で関係性が構築されていた点が印象的でした。

単に「同じ場所に同席した」というだけではなく、参加者全員が会社の経営的立場にあるということから、
「それぞれが抱えている経営課題」についての意見交換も活発に行われていました。

講座の受講中も、特徴的だったのは参加者の方々がそれぞれ事前に「経営に対する課題意識」をお持ちだった点です。
「講座に参加すれば何かいい話が聞けるんじゃないか」という漠然とした意識ではなく「自社が抱えている問題点や課題に対するヒントをこの講座でつかみ取るぞ」という積極的な意欲が見えました。

講座の中では「いま抱えている問題を書き出し、それがDXの活用によってどう改善されることを期待しているのか書き出してみましょう」というワークを実施しましたが、ペンが止まったり考え込んだまま何も書けないという人は一人もおらず、全員がスラスラとペンを走らせていました。
このことで、日ごろから課題意識をもって経営に向き合っていらっしゃることがよくわかります。

経営的な立場に置かれながらも、ふだんは日常業務に追われて「経営課題にじっくり向き合う機会がない」
というお悩みをお持ちのかたがたには、
今回の講座を通じて自社の経営課題に向き合う、よい機会を持っていただくことができたと感じています。

第4講座の財務を担当された松崎講師からのコメント

1.講座のポイント
・お金がなくなると、夢が尽きてしまう。しっかりとお金を把握しておく事が大切。
・お金を把握するツールが、「損益計算書」「貸借対照表」「資金繰り表」です。
・損益計算書は、これだけ売り上げないと利益が出ないという損益分岐点売上高が大切です。
・貸借対照表は、安定した経営をするために必要な自己資本比率の理解が大切です。
・資金繰り表は、売掛金などの回収と買掛金などの支払のタイムラグをまかなう正常運転資金の理解が大切です。

2.受講生の雰囲気
・受講生の皆さんがお互いに和やかにお話をされていたので、とても良い雰囲気でした。
・セミナー中で意見を求めても、ご自身の考えでしっかりとお話されていて、真剣に取り組んでいただきました。
・刈谷商工会議所のご担当者様もセミナーに参加してくださったので、皆様集中して演習などをしてくださいました。

3.受講者のみなさまへのエール
・数字が苦手な方は、できる限り数字と触れ合う時間を過ごしてください。
 決算書の数字の全てにこだわず、「粗利益」だけをしっかり理解してください。
 一点突破ができれば、後は理解が深まってきます。
・簿記は3級程度でよいので、学ばれることをお勧めします。
 数字が読めるようになると、自社だけではなく、他社の状況も読みやすくなってきます。
・若手経営者の皆様は、今後の地域の中心を担う存在として、地域の他の企業をけん引して、
 より会社や個人事業主が活性化した刈谷地域を作り上げていただけることを心より祈念いたします。

初日を担当した渋谷講師

初回は時代を読む力と経営戦略をテーマに講座を進行しました。

初回ということもあり、講座スタート時点では受講者のみなさまは少し緊張していたように感じました。
ですので、受講者同士の意見交換や最新のChatGPTを使った経営戦略フレームワークへの落とし込みなど、実演を交えることで受講されていた方は、自然と講座に興味関心をもちはじめ、講座の後半にはみなさん積極的に質問をいただけるようになりました。

時代の常識を見つめ直す

従来の経営戦略が通用しにくい時代になっています。また先がとても読みにくい状況の中で、これからの経営者に必要な能力やスキルについて解説をさせていただきました。

特に経営者にとって大切なスキルは「ストレス耐性」だと思います。極端なことを言えば、ストレスへ耐性を高めることで大抵のことは乗り越えられるのではないか?とも思えます。特に、不安定な時代ですから、明日の売上・利益が約束されるわけではなく、そういう意味でもストレスをコントロールし、平常心を保つトレーニングが必要です。

また、従来の経営戦略もいちど見直していく必要がある。

わかりやすいビジネスモデルを作ろう。と言われているけれど、わかりやすい=真似されやすい、とも言えます。そう考えると対策は2つあって、真似されても潰れないビジネスモデル=ラーメン二郎モデルやボランタリー型モデル、がひとつ。もうひとつは、非常にわかりにくいビジネスモデル。のいずれかとなります。

またターゲットを絞ろう、という当たり前の発想も、今の時代では少しズレがあると考えています。

これは、会社という迷宮という書籍にも欠かれているのですが、「市場」には2種類の読み方があります。

「シジョウ」=こちらは絞り込むイメージ

「イチバ」=雑多なものから面白い発見をするイメージ

真逆のイメージが同じ漢字で表現されていますが、これからは「イチバ」という読み方でビジネスを作る必要があるのではないでしょうか。

次世代の経営者養成ですから、過去の分析も重要かもしれませんが、それ以上に、いまだかつて無い変化がやってきている中で、当たり前を当たり前と捉えない視点を持つこと。そんなことがこれからは必要な時代となります。

初回を担当させていただきましたが、次の可能性を見出してくれたようでしたらとてつもなく嬉しい限りです。地域の事業者が元気になることで日本全体が元気になると考えています。

全力で、突き進んでいっていただきたいと思います。頑張りましょう。

第2日目,3日目の担当講師

今回のセミナーでは、井村講師、片桐講師にもご登壇いただき、経営に必要な知識をワークを交えながら実践いただきました。

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#ジャイロのセミナー