「2022年度事業承継オンラインセミナー」レポート
千葉県産業振興センター・千葉県信用保証協会の主催で「2022年度 事業承継オンラインセミナー」が開催されました。このセミナーでは、2022年11月24日(木)と12月1日(木)の2日間にわたり、現経営者と後継者のそれぞれに向けた内容をお届けしています。今回は、前半部分にあたる現経営者向けセミナーの内容を一部ご紹介します。
「そろそろ事業継承の候補者を決めたい」「年齢的に引退が現実味を帯びてきた」と考えている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
研修概要
セミナー名:会社と社員と家族を守るために みらいにつなぐ事業承継セミナー
対象:中小・小規模事業の現経営者
開催日時:2022年11月24日(木)14:00〜16:00
開催形式:オンライン
講師:大木ヒロシ
前半である11月24日に現経営者に向けた「みらいにつなぐ」、後半の12月1日には後継者に向けた「アトツギにエールを!」と題したセミナーを開催しました。
事業承継は待ったなし?
「みらいにつなぐ」セミナーは、事業継承の必要性を感じている中小・小規模事業の経営者の皆様を中心にご参加いただきました。「年齢的にそろそろ事業継承について具体的に考える必要があるけれど、何から手をつけるべきなのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。事業承継=育ててきた会社を手放さなければならないというイメージを抱く場合もあるかもしれません。
セミナー内で紹介されたデータによると、2016年の全国社長の平均年齢は61.19歳。さらにセミナーでの言及に補足をすると、社長の年齢が70代以上の企業は全体の24.12%を占めました。日本の企業の4社に1社ほどの割合となります。
引用元:株式会社東京商工リサーチ「2016年 全国社長の年齢調査」
後継者はどこから探すべきか
中堅の中小企業は、社長の経営手腕が基盤になっているところも多く見られます。そのため誰を後継者にして事業を継続していくのかは、非常に重要な課題です。
中小企業は、日本の全企業のおよそ99.7%を占めており、現在60代前後の経営者が事業承継を成功させることが、今後の経済の安定に大きく関わります。
引用元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書・小規模企業白書」
後継者は、以下のいずれかから人材を探す必要があります。
親族
親族を後継者に選ぶメリットは、身内であるがゆえの安心感に加え、多少の失敗や損失があっても納得しやすいという点にもあります。自分の子供のなかから後継者を選出する場合は、向き不向きをしっかりと見極めることを大切にしましょう。後継者が決まっている場合は、早くから職場になじませておくのもおすすめです。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けビジネスのやり方が大きく変化する現代においては「親(現経営者)の指示に素直に従う」よりも「リーダーシップを取れる」といった資質があると、成功しやすいでしょう。
社員
親族に適任者がいない場合、社員のなかから選出するという方法があります。10年、20年と業務とともにしてきた仲間であれば、仕事ぶりや人柄なども明白なため、安心してまかせられるでしょう。
社員のなかから後継者を決める際は、選出基準を明確にして透明性を保つことも大切です。候補者をいきなり指名するのではなく、早い段階から伝えておくことで、従業員目線から経営者目線への切り替えを促し、スムーズな事業承継につなげられます。
一方、親族と違って血縁者ではないため、経営判断を誤ったり、損失を出した際に納得しがたいというデメリットがあります。
ヘッドハンティング(外部)
親族と社員の両方で適任者が見つからない場合は、ヘッドハンティングによる外部からの選出も視野に入れましょう。取引先や他社をはじめ同業種で実績のある人材なら、業界内での信用度も高く、顔が利くといったメリットがあります。
一方、社内からの反発が懸念されるため、社長としての資質があるかどうかや、リーダーシップ、人柄なとは慎重に見極める必要があります。また、社員を後継者に選ぶ場合と同様に、経営判断を誤ったり、損失を出した際に納得しがたいという点がデメリットです。
事業承継で引き継ぐことは5つ
後継者が見つかったからといって、すぐに経営をスライドできるわけではありません。正式に事業承継を行うまでに少なくとも3年、できれば5年ほどは伴走する期間を設けましょう。引き継ぐべき内容は、主に下記の5つとなります。
- ヒトの承継
- モノの承継
- カネの承継
- 技術の承継
- 顧客(情報)の承継
①ヒトの承継
前述した、後継者の決定がこれにあたります。親族や社員、あるいは外部の人材から適任者を見つけましょう。
②モノの承継
相続でトラブルが起きないように、親族間などでの資産の配分をしっかりと定めておくことが重要です。税理士などの専門家に相談し、同時に税務対策も進めておきましょう。
③カネの承継
事業承継は、赤字の状態でも可能です。ただし、決算書を見せてありのままを伝えるが大切です。後継者には、PL(損益計算書)が理解できるよう基礎的な会計知識を授けておく必要があります。後継者自身が売り上げや利益、資金の管理ができるよう、毎月計画をたてて振り返りを行うことをルーティン化しましょう。
④技術の承継
技術的な内容(暗黙知)を引き継ぐ際は、テキストでマニュアル化するのが難しい場合もあります。後継者がしっかりと習得できるよう動画や写真などを活用し、ノウハウを形として残すのがおすすめです。
⑤顧客(情報)の承継
これまでに築いてきた顧客との関係を後継者がスムーズに引き継げるようにサポートしましょう。お客様との関係構築のポイントや、取引先ごとに異なる対応の仕方などを共有してください。
セミナーを活用してスムーズなバトンタッチを
事業承継は会社のバトンタッチです。失敗すれば、会社の成長がストップするだけでなく、倒産につながるケースもありますが、逆もまた然りです。
これまでに培ってきたノウハウや人脈を次世代に託すことで、会社はいつまでも社会に貢献し続けることができるのです。ジャイロ総合コンサルティングの事業承継セミナーは、現経営者・後継者がスムーズに事業の引き継ぎをするためのポイントをお伝えしています。事業承継に向けての準備をスタートさせる際は、ぜひお問い合わせください。
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