今から始める!デジタル活用・DXセミナー

DXという言葉が一般的に用いられるようになり、数年が経ちました。zoomなどの通信ツールのみならず、最近ではAIの活用も拡大傾向にあります。
新型コロナウイルス感染拡大を機に、多くの企業が急速にDX化を進めてきましたが「正直なところ、まだ活用しきれていない」「DX化と言われても何をすればいいのかわからない」という声も聞こえてきます。
今回は、神奈川県南足柄市商工会の主催で開催された「今から始める!デジタル活用・DXセミナー」の内容を一部ご紹介します。DX=よくわからないもの、難しいものというイメージをくつがえすいくつかの事例もあわせてご覧ください。また、セミナー内では、話題の「ChatGPT」のデモンストレーションも行われました。
研修概要
セミナー名:今から始める!デジタル活用・DXセミナー
対象:南足柄市商工会の会員事業者
開催日時:2023年3月22日(水)18:30〜20:30
開催形式:オンライン
講師:渋谷雄大
DX化で利益の拡大に成功した2つの事例
DXは「事業の利益をあげるためにどう生かせるのか」という視点で向き合うことが重要です。セミナーではDX化による小規模事業の成功事例をいくつかご紹介しました。ここでは、代表的な2つをピックアップしています。
事例①工務店の事例
神奈川県のある工務店では、地元以外のエリアで新規の集客をするために、SNSを活用したPRを行いました。他の都道府県からお客様を呼び込むためには、既存の住宅ではない新たな商品を企画する必要があります。そこで、この工務店では「ハワイ風の住宅」という企画を打ち出し、Instagramを使ってプロモーションを開始しました。
結果として「海外のような家を建てたい」というニーズがあるお客様から注目を集め、既存のエリア以外からの受注数を大幅に増加させます。
しかし、受注数が上がる一方で、問い合わせが増えすぎて営業が回らないという新たな課題が発生しました。そこで、次の施策としてzoomを活用した営業を開始。建築の知識がある学生を業務委託の契約を結び、初期の問い合わせ窓口として営業を担当してもらうというフローを作ります。
初期対応の段階で動画を用いて自社の特徴や方針などをお客様に知ってもらい、興味を示せば次は社長とより具体的な話をする、という流れで営業を行いました。そうすることで、見込みのあるお客様に対して効率的に営業をかけられるようになり、業務の効率を向上させることができました。
事例②酒屋の事例
続いて、秋田県にある酒屋の事例です。こちらの事業者は、地酒の価値を地元以外のお客様に伝えるために、DXを活用した販売戦略を立てました。「60歳以上のご夫婦にじっくりと秋田の美味しいお酒を嗜んでもらいたい」というコンセプトにもとづき、「jSTAT MAP」という地理情報システムを用いて、一定以上の収入ある高齢夫婦の世帯が多いエリアを探り当てます。
ターゲットとなる層が多く住まうエリアを探り当て、チラシの印刷&ポスティングを行うサービスを使って、一斉投函を行いました。投函用のチラシにはQRコードを印刷し、リンク先のサイトに入力フォームを用意。フォームではお酒の好みなどを選択してもらいます。問い合わせが入った時点で、従業員がおすすめ商品を解説する動画を作り、メールに添付して送付します。
動画を用いるメリットは、銘柄について説明したり、容器に貼り付けしているラベルを見せたりすることで、実際に商品説明を受けているかのような臨場感を演出できることです。商圏分析・印刷&ポスティングサービス・動画というツールを効果的に組み合わせることで、地元以外の顧客開拓に成功しました。
2つの事例の共通点は?
ご紹介した2つの事例は「地元以外からの集客に成功している」という共通点があります。DX化というと、何もかもをデジタルに切り替えなければならないように思ってしまいますが、まずはスモールスタートで問題ありません。既存のアナログ業務の2割程度のDX化が目安です。
地元の取引先に対しては今まで通りの営業手法を継続し、地元以外のエリアから顧客を見つける方法としてDXを活用すると良いでしょう。デジタルツールを効果的に取り入れることで、全国のお客様がターゲットになるのです。持続化給付金を申請し、DX化の費用にするのも一つの方法です。
ChatGPTで業務がガラリと変わる!?
セミナーでは、話題の「ChatGPT」を用いたデモンストレーションが行われました。ChatGPTとは、米国のOpenAI社が開発した、AIチャットボットです。無料プランと有料プラン(月額20ドル)がありますが、今回は有料プランを使用しました。
チャットに質問を投げかけることで、文章の生成や対応の提案などが行われます。実際にセミナー中に行ったチャットとのやりとりをご紹介します。
セミナーのタイトルやキャッチコピーを考案
質問「南足柄市でセミナーをやります。人が集まるようなセミナータイトルとキャッチコピーを2つ提案してください。」
参考として、以下のカリキュラム内容も添えました。
- デジタル活用は難しくない!抑えるべきポイントとは?
- 小規模事業者や個人事業主ほどDX化が有利
- デジタル化すべき仕事としてはいけない仕事を分ける
- デジタルツールを使った利益アップの具体策
- DXの悩みを講師にぶつけてみよう!
これに対し、以下のタイトルとキャッチコピーがAIによって提案されました。
提案1
タイトル「デジタル時代の勝者になろう!DX成功への近道」
キャッチコピー「デジタル化のポイントを押さえ、個人事業主・小規模事業者が輝く未来へ!」
提案2
タイトル「DXマスターへの第一歩!効果的なデジタル活用術」
キャッチコピー「選ぶべきデジタルツールで、業績アップを実現!あなたもDXの悩みを解決しよう!」
さらに、以下の追加質問を投げかけました。
質問「(セミナーの受講者に)飲食店が多いので飲食店に響くものを提案してほしい。」
すると、このような提案がありました。
提案3
タイトル「飲食業界のDX必勝法!デジタル活用で売上倍増」
キャッチコピー「飲食店に特化したデジタル戦略で、コスト削減と利益アップを実現しよう」
提案4
タイトル「飲食店のデジタル変革!業務効率化と集客力アップ」
キャッチコピー「デジタルツールを活用し、飲食店の競争力を高める実践的な方法を学ぼう!」
これらは、すベてAIによって生成された内容です。精度の高さに驚いた方もいるのではないでしょうか。
セミナーでは、上記以外にも複数のデモンストレーションを実施しました。
- SPIN話法(顧客のニーズを引き出すためのフレームワーク)に基づいた、企業の課題に対する質問と回答例
- クレームのメールに対する返信と対応の例
- Twitterに投稿する事業のPR投稿の文章例

ChatGPTのほかに、サイボウズ社による業務改善プラットフォーム「kintone」などを活用し、社内の報告書や日報のフォーマットなどを整えるのもおすすめです。見える化を図ることで営業課題が明確になり、改善へのつなげることができます。
DX化の方法がわからないなら、セミナー参加がおすすめ
ジャイロ総合コンサルティングと商工会の提携セミナーでは、さまざまな事例をもとに、DX化を成功させるための方法をレクチャーしています。地元の事業をさらに盛り上げていきたいと考えている商工会の担当者様、DX化に課題を感じている事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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