危機管理の本質とは(7) 「タワーリング・インフェルノ」に見る危機管理の本質

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■危機管理の本質が理解できる映画「タワーリング・インフェルノ」とは?
以前にも、映画を題材とした「危機管理の本質」に
ついてコラムを書いたことがある。既に過去のものと
思っていて忘れていたが、過日、まんざらでもない、
という出来事に遭遇した。

実は、書いたコラムの読書の方から、是非講演をお願い
したいというご依頼を頂いたのである。自分としては既に
かなり以前に書いたもので、内容すらもううろ覚えで
あったから、逆にどんなコラムだったかとこちらから
伺いたくなった。

そこで、今回は、もう一度、きちんとこのコラムを振り返り、
題材とした映画についてももう一度考えてみたい。なぜなら、
そこに危機管理の本質があると考えるからである。

映画のタイトルは、「タワーリング・インフェルノ」である。
名俳優である、スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンの
ダブルキャストで、当時、二人を見て、単純に格好いいと
思った。いわゆる男前なのである。特にスティーブ・マック
イーンの隊長としての消防士姿は颯爽としていた。

さてこの映画であるが、最新鋭の超高層ビルが火災を起こして
しまうといったハプニングに見舞われるという舞台設定に
してある。付言すると、ネタバレにならないように細心の
注意を払いつつも、読者の方々にイメージを膨らませて貰える
ようにするので、細部の描写は控えさせていただくことを
ご容赦願いたい。この二人の主人公の役割は、一方は最新ビルの
設計士、もう一方は火災を消火する消防士の部隊の隊長
という設定である。

ある小さな出来事がきっかけで、火災が発生し、最上階まで
炎に包まれてしまう。ポール・ニューマンやスティーブ・マック
イーンが様々な避難手段の試みるものの、どれも奏功せず、
ビルのお披露目のレセプションに参列したお歴々の方々が
路頭に迷う、という光景が映し出される。

実は、映画のクライマックスに至る過程で、いろんな防災上の
ヒントが隠されているのを見つけることも、この映画の楽しみ
方の一つである。たとえば、ある招待客が、「訓練していな
かったの?」といったセリフで、防災訓練の重要性を謳っている
点は興味深い。その他にも、いろいろと危機管理上興味深い
ネタが鏤めてある。

■危機管理の要諦
さて、もう映画の紹介はいいよ、と読者の声が聞こえてきそう
なので、本題に入ろう。クライマックスシーンは、実際に映画を
ご鑑賞いただくことにして、危機管理上の最大のポイントは
何であろうか? と自分もまた再考してみた。

結果、やはり、以前書いたコラムと同じになった。つまり、
「想定外は必ず起こる!」ということである。もちろん、
災害を未然に防ぐためのリスクマネジメントはするが、
どんなに備えたつもりでも、あるいは災害を想定して訓練した
つもりであっても、災害は、その想定を超えてやってくるのである。

当たり前だと思うなかれ! 実はこれが危機管理の要諦である。
想定外を前提とした危機管理が非常に重要だという点は、すなわち、
危機管理の要諦はどんなに時代を経ようが、変わらないということ
である。その上で、危機管理状態では、持っている資源をすべて
導入する(つまり、使えるものは何でも使え!)という発想が
必要である。災害イマジネーションを最大限に働かせて、持って
いる資源を全部投入して対応するよりほか手立てはない。クライ
マックスシーンは正に、これを体現するシーンとなっている。
危機管理の本質を是非知りたい、考えてみたいという方は是非
映画を鑑賞されたい。

きっと、「えっ、そこまでやるの?」「災害発生時の危機管理は
何でもありなんだ!」「やっぱり普段のリスク管理が如何に重要か
だな」等、読者のさまざまな反応が目に浮かぶ。もし、セミナー
等でお会いする機会があったら、是非この映画を鑑賞した感想を
お聞かせ願えたらと思う。

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