「フィジカルポイント」まだ「大丈夫」は遅すぎるⅡ
私たちは、全国各地をセミナーやコンサルティングの機会で訪れることが多い。
その度につくづく感じるのは、古くから営業している商店の疲弊である。何しろお客が来ない。商店街も人通りが途絶えている。何とかならないかと相談を受けることもある。しかしながら、何とかならないかという言う前に、行うべきことがあるような気もする。
地方の婦人服店での話。創業40年の店であり、現在は二店舗を経営している。
若い人向けの店と、中高年向けの二店舗である。それなりの経営を続けているはずなのに、売上げは減少傾向が止まらない。ここ数年は、前年比で10%程度の落ち込みが続いている。店主は、何とかしなければと思っているが何もしていない。このままでは、従業員への給料支払いもままならない状況である。
得意客も、「何とかしなければネ」と言い、店主もさすがに焦りだしている。しかし何もしない。いや、何もしないのでなく、何をしたらよいのか分からないのである。自分で自分が情けなくなる状況で、いっそ店を閉めようかとも考えたこともある。
そして、ついに閉店を現実に考えるときが訪れた。すぐ近くに、大型スーパーが進出するというのである。今では全国各地に進出しているあの巨大スーパーであり、数百台の駐車スペースを備え、もちろん婦人服売場もあるようである。
この機に及んでも、店主は何もしない。従業員もあきれ果てているようである。
いよいよ巨大スーパーの開店である。店主も恐る恐る婦人服売場をのぞいて見た。そこは、2階に配置された100平米近くの売場であり、品揃えは豊富で、価格も安く設定されていた。しかしながら店主は首をかしげた。自店と売場は同規模であるが、トップとボトムは別々のコーナーにかたまり、トータルコーディネートのし易さ、また、売場に店員がいないため相談するという点でも困難で、さらに、かごに婦人服を入れてレジに持ち込むような状態であった。
店主は早速、自店の改装に取組んだ。店頭にはマネキンを配置し、コーディネートを売り物に品揃えを見直し、同種の感覚のトップとボトムを同一コーナーに配置した。年配で経験あるパート店員も新に雇用し、相談に応じられる体制にした。子供のための遊びスペースも店内に設置し、フロアのバリアフリー化も行った。
その結果、何と売上げが急に増えだしたのである。いつの間にか、巨大スーパーの婦人服売場は縮小され、ますます自店の売上げは伸びた。要するに、巨大スーパーは、自店の潜在顧客を呼び込んでくれたのである。しかも、駐車場を備えない自店に、無料の駐車場を提供してもらい、遠方からの顧客も新たに集客したのであった。

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