営業力強化の出発点「福は内、鬼は外」
景気が悪いから売れない、最近のお客様はなかなか財布の紐が固い、競争業者よりも高いから売れない・・・、売れない理由は何とでも
言える。確かに、景気が悪ければ消費者は買い渋ることも事実、
競争業者より高ければなかなか買ってもらえないのも事実。
全ては正論だ。
しかし、だからと言って、「売れなくても良い」という理由にはならない。なぜならば、営業マンは営業活動によって売上を上げてこそ営業マンなのであって、何かを理由に売れないことを嘆いていても、それは営業マンの仕事ではないからだ。いかなる状況においても、「売る」ことが
営業マンに求められる能力であり、その確率を高めていくのが営業力強化なのである。
売る営業マンは売る
世の中にはトップセールスマンと呼ばれる人が、現実的に存在して
いる。そう、あなたの会社にもなぜか売ってくる営業マンがいる。
その人こそ、トップセールスマンなのである。
これは非常に不思議である。なぜならば、このようなトップセールスマンはいつの時代にも存在するし、どこの業界にも存在している。不況だと言われて「物が売れない時代」なのに売ってくる。「ある特定の業界が好調だ」と言われているのに、不調だと認識されている業界でも売っている人は存在している。
こういった事実を真正面から受け止めてみる。そこから、営業力強化
へのステップが始まることになる。売れない時代だろうが、売れない
業界だろうが、「売れる人は売れる」のだ。この現実を直視したときこそがチャンスである。
売れる人の共通点
売れる人に共通する点はいくつかあるが、結論から言えば、「売れる人は何を売っても売れる」と言うことだ。エスキモーに氷を売ることもできるし、傷だらけの売り物にならないリンゴを売ることもできるし、そこの
道端に転がっている石ころすら売ることができる。売ると言う能力、
すなわち営業力は、基本的に「商品に依存しない」と言うことなので
ある。
この事実は極めて重要な意味を持つ。つまり、「商品が悪い」という人に、「良い商品」を与えても売れるという保証はなく、「価格が高い」と
言う人に、「安い商品」を与えても売れると言う保証はない。
営業力が商品やサービスに依存しないとしたら、何に依存するのか。
そういった視点を持つことこそ、営業力強化のためには重要である。
売れない人の視点
売れない人に共通しているものがある。それは、外に視点を向けているということだ。「景気が悪い」「商品が悪い」・・・これらは、全て自分を軸にすれば外部の話である。景気が悪くても、完全に破綻した業界は
存在しないのであるから、どの業界であってもそれなりに売っている人は存在していることになる。
外に目を向けている営業マンは、自分が「物を買う」立場、すなわち
営業される立場で考えてみれば良い。景気が悪くなったから、自分は買物をしなくなったか。食料品以外に嗜好品などを全く買っていないか。仮に、あなたが食料を買っていて、かつ、欲しかったゲームを
買っているとしたら、景気が悪くなっているのにも関わらず物を買って
いるわけである。確かに、以前に比べてその額は少なくなったかも
知れないし、逆にこの不景気なのに高価なものを買ってしまったかも
知れない。
子どもが生まれたし、不景気だからそんなことはないよ、と言っている隣で、あなたのお嫁さんは子どものためにたくさんのおもちゃを買っているかも知れない。買い手の視点で考えてみれば、確かに不景気
だからという思いは持っているかも知れないが、自分で欲しいものは
しっかりと買っているのである。であれば、「不景気だから売れない」という理由は成立しない。
商品が悪い、と言うのも同じことで、営業マンの知識レベルで「悪い」
という感覚があったとしても、それはあくまで専門家の立場での話しである。あなたが買う側の立場であれば、相当詳しくない限り、それが
「悪い」ものかどうかの判断はつかない。また、仮に悪いものであった
としても、それを承知で購入することは大いにあり得る。すなわち、
「悪い」から売れないということは必ずしも言えない。
いずれの場合も、買う側の立場になって考えてみれば、営業マンが
売れないと言うほどの「理由」にはならず、むしろ、不景気だからこそ「売れる人と売れない人の差」が開いていくのだとも言える。もっと
言えば、不景気の方が正しい営業方法を行うことで、「より売れる」
状態を作ることが可能なのである。
変えられないものは変えられない
「景気が悪い」という理由をいくら言ったところで、景気が良くなることはない。そして、景気が良くなれば売れるということでもない。景気が良くなれば、あなたのライバルはどんどん増えてくることは明らかである。
さらに、景気が良くなるかどうかは、分からない。今の状態が数十年
続かないとも限らない。つまり、景気という外部環境は自分には変え
られない。
世の中には自分で変えることができるものと、変えられないものが
ある。景気や天気、円高などは、自分が逆立ちしても変えることは
できない。あなたに自分のお嫁さんの考え方を変えさせることは
できるだろうか。何年も連れ添った自分の奥さんであったとしても、
他人と言う外部環境はそう簡単には変えることができない。
「景気が悪い」と言うのは、自分にはどうすることもできないし、どうこうしようと思う必要もない。なぜならば、景気が悪いのはあなたのせい
ではないからだ。
自分が生じさせたことでもなく、また、自分で変えることができないことにこだわることは正直言って無駄である。外部の環境は変えることも
できないし、変える必要もないのだ。
変えられるもの
一方、唯一変わることができるものがある。それは、自分自身である。
環境も顧客も変えられない。しかし、自分は変えることができるのだ。
外に目を向けている限り、営業力強化のヒントは見つからない。変えることのできないことをいくら考えても、それは無意味である。
しかし、変えることのできる内(中)に目を向けた時、そこには今まで
思いもしなかったような多くのヒントに満ち溢れている。ほとんどのトップセールスマンは、大きな挫折を味わっている。その時、外に目を向けるのか、内に目を向けるのかで営業力強化の成否が決まる。
自分の中にこそ、営業力強化のヒントがあるのだ。現代においては、
外は鬼だらけだ。しかし、福はあなたの内にいる。
価値の提供
顧客はあなたから何を買うのか。それは、有形の物かも知れないし、
無形のサービスかも知れない。いずれの場合でも、本質的に考え
れば、顧客は物を買っているわけでもないし、サービスを買って
いるわけでもない。
洗濯機を買う人は、洗濯機を使うことによって「服が綺麗になる」という価値を買っているのだろうし、マッサージを受ける人は、マッサージを
施してもらうことによって「肉体や精神的な癒し」という価値を買って
いる。
営業とは、物やサービスを売ることではない。物やサービスを通じて、顧客に価値を提供することにある。トップセールスマンは、「物やサー
ビス」を売っていない。価値を提供している。だから、「物に依存しない」という前述の話にも繋がってくるのだ。
「価値」と言うのは、物やサービスが変わっても提供することができる。だから、トップセールスマンは何を売っても売れるのだ。そこに、売れる営業マンと売れない営業マンの違いがある。
価値の感じ方は、顧客によっても異なるし、外部の環境が変わることによっても異なる。しかし、顧客も外部も変えることはできないということであれば、「価値の見せ方」を自分で変えれば良い。
トップセールスマンは、売り方、すなわち「価値の見せ方」を変えることが上手い人を言う。それは、実は至極単純である。顧客の欲しい価値を見極めて、自分が変わることでその顧客に合う価値へと結び付けていく。
営業力強化の出発点として、あなたが提供している「価値」とは何か、それをもう一度真剣に考えてみて欲しい。
あなたの商品やサービスを買う顧客は、それを通じてどんな価値を
期待しているのか。これが分かれば、実は営業力強化は簡単なのだ。
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