創業を考える(第3回) “時の利が成功を約束する”

新規の創業に限らず、事業の成功にとって必須のことは「地の利」「人の利」そして「時の利」を
得ることである。ことに、時の利である時流に乗るか反るかは事業成功のポイントになることは
間違いないだろう。

ところで、「時流はあなたの創業にとって順風なのか逆風なのか?」
順風はあなたの実力を倍加し、逆風はそれを半減してしまうことを考えてみれば、時の利を得る
ことが成功を約束することになるということはお分かりいただけると思う。
新規の創業にあたっては、ビジネス(経済)環境を正確に掴んで成功を得やすい開業時期を選ぶ
必要がある。

今や、中小企業の廃業率は開業率を上回っている。
大企業はともかく、中小企業にとって経営環境は実に厳しい状況にあり、並み居るプロの経営者
達が敗退を余儀なくされているのが現状だ。

廃業もしくは倒産といったビジネス敗退の理由は、直接・間接を含めれば基本的には「売上不振」
である。事業にとっては売上こそが全てであり、計数管理がどんなにか巧みであっても売上が
不振であれば成功は望みがたい。経費をどんなに切り詰めても売上が下がりっぱなしといった
ことになれば経営は続けられないのである。

新規の創業とて同様で、「売れる」ことが事業継続上に不可欠であることは論を待たない。にも
かかわらず、内需に関してはその主力である個人消費が若干上向き加減とはいうものの、かなり
厳しい状況にあることは変わりなく、多くの中小企業は「売れなくて」困っている。

「売れなくて困っている」といったときに重要なことは「なぜ、売れないのか」を明確にする
ことであり、そうすることで「売れるための対策」を講じることが可能になる。もっと言えば、
新規に創業するにあたって、ビジネス環境的に見て「売れるか」「売れないか」をはっきり
させることであり、「売れない」とはっきりすれば開業時期は見合わせるしかない。
一方、明確に「売れる」と判断したら、時期を逸することなく開業することで成功を手にする
確率が高まる。

売上不振に悩む中小企業の経営者の多くは「売れないのは不景気だから」だと言う。曰く、
「不景気だから売れない、故に何もしない」といった形で無為無策の態である。
しかし、不景気というのは当たっていない。わが国のGDPは一貫して伸びており、先ごろは
上方へ修正が加えられるといった状況にさえある。

売上不振に悩む経営者の弁に嘘があるとは思えない。とすると、好景気と不景気が混在している
状態にあると見るべきだろう。
売上不振に悩む事業者から見れば、依然として景気は悪化しているという他ない。しかし、
「不景気だから売れない、故に何もしない」とすれば、それは負け犬の論理に絡めとられて
いるとしかいいようがない。

 

 

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