天使の営業と悪魔の営業とは？

 

私が営業セミナーでお話ししているのが、理想の営業マンとはどんな人なのか？という事です。

結論としては、計算できるお人好しが理想の営業マンであると答えています。

 

営業マンというのは、相手の胸襟を開かせて信頼関係を構築していくことは必要不可欠です。

どんなにヒアリングが重要である。提案が重要である。クロージングが重要である。と言っても、それはすべての土台に信頼が構築されていることが必要不可欠です。

信頼関係が無い状態でヒアリングをしても、相手は建前の答えしか返してきません。

どんなに素晴らしい提案をしても（そもそも相手の信頼が獲得できていないので作り手にとっては素晴らしいかもしれませんが、お客様にとっては素晴らしい提案ではない可能性が高い）相手はその提案を間に受けないでしょう。

どんなに強固なクロージングをしても、相手は分厚い壁を作っていますので逆効果になるでしょう。

どんなにスキルを磨いても、結局それは小手先論にしか過ぎないのです。

 

お人好しはなによりも強い（天使の営業）

お人好し＝隙がある、という事だと思います。

全く隙のない、完璧な営業マンはどこか近寄りがたい印象を相手に持たせます。

人は自分に近い人に好感を持つ心理を持っていますが、完璧な人間はそれほど多くはないのが現実です。どこか抜けていたり、苦手があったりと隙があるのが人間ですね。

また営業マンというものは、相手の課題を見つけ出して課題を解決することが仕事です。

課題＝弱みですから、そもそも完璧な相手に自分の弱みを見せることはとてもやりにくいのです。「どうせこの人に話してもわかってくれなさそう」という印象を持たせてしまうでしょう。

優秀な営業マンはその辺りが分かっています。

ですから取り繕って完璧な人間を演出しようとしません。それよりも自分自身の隙を武器にして相手の信頼を獲得していくことを選びます。

しかしここ最近の営業マンの傾向をみると、隙を見せることが怖いのか、完璧を演出する傾向にあります。スーツをバシッと決めて、相手に舐められないようにしている。資料を完璧に作成し完璧なプレゼンテーションをしようとする。

そんな営業マンには本当のことは話しにくいですね。

まずあなたが確認すべきことは「自分自身はお客様からどう見られているか？」を正確に認識することです。

完璧な人間だと思われているなら、もう少し、自分の隙を相手に見せることが大切なことでしょう。要素は色々ありますが服装や髪型なども重要なポイントですから良く考えて見ましょう。

計算ももちろん必要（悪魔の営業）

ただし本当のお人好しになってしまっては、単なるおバカさんに見られてしまいますね。ですから、締めるべきところはしっかりと締めるようなメリハリが重要です。

特に計算すべき点は、相手が感じている課題と解決策がズレないようにすることです。時々、お客様

感じている課題と見当違いの提案をされる人がいます。最悪なのは、相手の課題とは関係ないところを機械仕掛けのように説明する営業マンです。パンフレットに書いてあるサービス紹介を1ページ目から丁寧に説明されることがあります。

正直、自社の課題解決に結びつかないようなサービスの説明を延々とされているうちに本来必要なはずのサービスについての関心も薄れていってしまいます。

相手の課題にあった部分だけで良いんです。全部を説明する必要などないんです。

もう1ヶ所は、見積もり部分です。

金額の提示については、どんな営業マンでも緊張する場面ではないでしょうか。

しかしここでお人好しさを発揮する営業マンが多いのも事実です。

お客様が「ちょっと高いね〜」と一言言っただけなのに「できるだけ頑張ります」と安易に値引きに応じてしまうケースなど山のようにあります。相手のためにというお人好しさが悪い方向に出てしまうんです。

ここはお人好しを出す場面ではありません。

自信を持っているサービスであるならば、値引きは最低の対応です。まずは丁寧に見積もり金額についての根拠や意味を説明しながら説得していかなければなりません。

百歩譲って値引きするとしても、最後の最後まで粘らなければなりません。

 

このように計算すべき部分とお人好しを出す部分をしっかりと切り分けられる営業が真の営業としての一つの条件だと言えます。

 

天使と悪魔。

双方の特性を持ち合わせることが優秀な営業マンの第一歩です。

ぜひ意識してみてくださいね。

 

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