1万分の1マーケティングとリキッドデス

リキッドデスに学ぶ「1/10,000マーケティング」の極意

2022年にアメリカで大ヒットした「リキッドデス」をご存知だろうか。ビールの缶に普通の水が入っただけのこの飲料は、2022年に190億円もの売上を記録し、SNSでも大きな話題となっている。一見すると単なる水だが、そのユニークなコンセプトが多くの人々の共感を呼んだのだ。

https://liquiddeath.com/en-jp

リキッドデスの成功は、消費者の潜在的なニーズを見事に捉えたことにある。お酒が飲めない人でも、周りと一緒に楽しめるというメッセージ性が評価されているのだ。従来のように商品の品質や機能性を追求するだけでなく、顧客の悩みに寄り添うことの大切さを示した好例と言えるだろう。

ここで、当社が提唱する「1/10,000マーケティング」という考え方に注目してみよう。これは、1万人に1人の心に響く商品を、DXの力で全国に販売するという戦略だ。リキッドデスのように、ニッチな市場で圧倒的な支持を獲得することを目指すのだ。

「1/10,000マーケティング」を実践するには、まず自分自身のブランディングが欠かせない。自らの個性を武器にし、商品やサービスの付加価値を高めていくのだ。地域や客層、カテゴリーで他にない存在になることを目指そう。

そのためには、付加価値の本質を理解することが重要だ。「役に立つ」と「面白い」を兼ね備え、他との比較で優位性を発揮できるものが真の価値なのだ。リキッドデスは、”お酒が飲めなくてもみんなと楽しめる”という新たな価値を提供することで、大きな支持を集めたのだ。

では、具体的にどのように「1/10,000マーケティング」を実践すればよいのだろうか。例えば、ある地方の酒屋が、60代の定年退職者夫婦をターゲットに、こだわりの地酒をネット販売するとしよう。チラシでQRコードを配布し、顧客の好みに合わせた日本酒を店主がオンラインで推奨する。Zoom上で商品の魅力を伝え、信頼関係を築くのだ。

ポイントは、大手企業が参入しにくい領域で、顧客の悩みを解決する商品を提供すること。リキッドデスも、お酒が飲めない人という特定の層に支持されることで大ヒットした。マス市場ではなく、狭い市場で No.1 になることを目指すのが、ローカルビジネスに適したマーケティング戦略と言えるだろう。

創業者にとって、不安は付き物だ。しかし、その不安を明確にし、一歩ずつ前に進むことが大切だ。資金面での不安は価値提供で解消し、未経験へのためらいは素直な学びで乗り越える。家族の反対も、ビジネスの将来性を示せば理解が得られるはずだ。

不安定な時代だからこそ、チャンスは無限大だ。リスクを恐れず、独自の価値を追求する姿勢が、創業者に求められている。リキッドデスのように、ニッチな市場で圧倒的な支持を獲得する「1/10,000マーケティング」を実践し、ポストコロナの新たな市場を切り拓いてほしい。

当社会長の大木ヒロシ氏は、「地域内需要の大幅減少で失った売上をどうやって取り戻すか」という課題に対し、「ローカル・中小が日本全国に顧客を作る”1/10,000マーケティング”」を解決策として提示している。DXの力を活用し、地域ならではの魅力を武器に、新たな市場を開拓するチャンスが到来しているというのだ。

リキッドデスの事例は、まさに「1/10,000マーケティング」の成功例と言えるだろう。従来の枠にとらわれない発想力と、消費者の心に寄り添う感受性を持つことが、これからのビジネスを成功に導くカギになる。

「1/10,000マーケティング」の時代に求められるのは、画一的な商品開発ではなく、消費者の声に真摯に耳を傾け、共感を呼ぶような提案を行っていくことだ。リキッドデスから学ぶべきことは多い。その革新的な発想を自社の商品開発に活かし、新たな価値を生み出していくことが期待される。

私たちの身の回りには、まだまだ気づかれていないニーズが眠っているはずだ。リキッドデスのように、そのニーズを発掘し、他にはない商品やサービスを生み出していく。そんな挑戦こそが、ポストコロナ時代のビジネスの成功の鍵を握っているのかもしれない。

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