経営指導員・職員向け広報基礎研修(宮城県商工会連合会)〜伝わる広報戦略

ジャイロ総合コンサルティングの渋谷です。
7月8日(月)に宮城県商工会連合会主催の経営指導員・職員向けの広報基礎研修の講師として登壇させていただきました。中小企業大学校の仙台校にて10時〜16時という長丁場でしたが受講された皆様とともに充実した時間を過ごさせていただきました。

下記のようなカリキュラムで実施させていただきました。

時間内容形式
1000-1030・なぜいま広報を学ぶべきか?講義(30分)
1030-1100・広報力を高めるマーケティング
– 強みの出し方    
– ペルソナ設定    
– SNSや動画連動の可能性 ほか
講義(30分)
1130-1230・広報媒体の添削とアドバイス講義・ワーク(60分)
1330-1410・レイアウトの基本講義(40分)
1410-1510・チラシを作成してみよう!講義・ワーク(60分)
1510-1600・発表・講師講評ワーク・講評(50分)

広報・販促物を作ることが目的ではない

今回は地域商工会の経営指導員や職員を対象にした研修でしたが、重要なポイントが、広報誌やチラシ単体ではなく巡回指導する経営指導員や職員が広報誌やチラシを把握していないという点にあります。

どうやって魅力的な広報誌を作ろうか?という話なのですが、そもそもが自ら作成している広報誌に愛がない。忙しすぎて、作ることを目的にしているという点です。

せっかく時間をかけているのであれば、それを会員事業者へ巡回指導したときに会話の材料にすべきです。話のタネになるような会報誌をつくる。これが大切なんだと思います。

今回、全商工会の広報誌を事前に提出いただき、すべて拝見してから臨んだのですがひとつひとつに面白い記事がありました。しかしながら当の職員(作成担当者以外)が内容をあまり把握していない。大事なのは、経営指導員が巡回指導する際に、会報誌について言及して話せることです。

広報誌を経営指導員と事業者の対話ツールとして使うことが本当に生きた活用方法です。そのためには、自分たちがワクワクするようなネタを探すことがまずは第一歩です。

集客用セミナーチラシは3つのキーワードに絞ること

いまさらチラシはないだろう。と思われそうですが、そうでもありません。
デジタルツールは、広く拡散させるのが得意。一方、アナログツールは、狭く深く入り込むことが得意です。ですので両方のツールを組み合わせて広報戦略を練っていく必要があるのですね。

アナログツール(チラシ)は、狭く深く突き刺すことが目的です。

しかも紙媒体には書ける内容が非常に限られます。そこで3つの絞り込みが重要になっていきます。

講師プロフィールの切り口は3つに絞る。

講師からもらったプロフィールをそのまま載せずに、受講対象者に響くキーワードを3つ散りばめる。講師プロフィールは受講者が申し込むかどうかの判断に大きく影響を与えます。

カリキュラムのポイントは3つに絞り掲載。

カリキュラムもダラダラ乗せるのではなく、受講者の響く3つのキーワードに絞り込んで記載することが重要です。

限られた紙面に何を記載し、何を書かないか?取捨選択することがとても大切になってきます。

CanvaやAIを活用して広報誌作成を効率化

みなさまご存知のCanvaというデザインツールもこれからはフル活用していく必要があるでしょう。

https://www.canva.com/

Canvaを活用することで編集効率は飛躍的に高まりますし、何よりセンスがない人でもそれなりのデザインを作ることができます。加えて、複数人で同時に編集することで紙面の校正や内容の充実も図れます。おそらく今までワードやパワーポイントなどを使ってデザインをされていた商工会が多いのですが、今回を機に広報誌作成のポイントについて解説させていただきました。

またAI文字起こしツールのCLOVANoteを使うことで取材から文章作成の効率化も可能。
またClaude3.5を組み合わせることで文字起こしデータを自然な文章へ改変もしてくれます。

https://www.anthropic.com/news/claude-3-5-sonnet

日々の業務でクオリティを上げるところまで意識が向かなくなっていると思いますが、このようなツールを組み合わせることで、より効率的にそして魅力的な記事作成ができるようになります。

今回の広報基礎研修では、単なるデザインではなく日々の多忙な経営指導員でも作成できるような具体的に実務に活かせる内容をお伝えさせていただきました。

午後は商工会の会報誌の添削

今回の広報基礎研修では、事前に各商工会様から会報誌をご提出いただきましたので、各会報誌の改善点についてアドバイスさせていただきました。

様々なポイントがあるのですが、主に以下のような点を注意するだけでも紙面は整います。

そして良くやりがちなのが、写真の縦横比を変えてしまうことですね。これも意外と多い。

研修の締めは商工会のPRチラシを作成

今回の経営指導員・職員研修で感じたことが、商工会のPRがうまくできていない。という点です。
本来は地域に根ざしており、地域事業者の縁の下の力持ちとして活躍しているのですが、それが地域事業者に伝わっていない。そして、会員になっていない事業者からすると何をやっているかわからない組織、または、親父の代では入っていたが後継者にとってはめんどくさい場所という認知がされてしまっているところです。
次の時代の会員化促進をするためにも、まずは商工会そのものの魅力を把握し、PRしていくことが求められます。

ということで集大成として、グループで商工会のPRチラシを作成していただきました。
テーマは、これまで会員化できていないような新たな事業者にむけた会員化促進チラシです。

制作時間は30分という短時間でしたが熱い議論の末、皆様面白いチラシが完成しました。

おそらく、商工会の魅力を打ち出すためのチラシ作りは初めてだったかと思いますが、事業者へ支援する前にまずは商工会そのものの強みや魅力を探すところからではないでしょうか。

受講いただいた皆様ありがとうございました。

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