あなたは本当に今の仕事が好きですか?

セミナー講師陣の売上UPノウハウ集

Aさんは研究職として採用されたが、会社の都合で営業職に転じざるを得な
くなった。研究職に未練はあったが、「会社の実情と家庭の事情を考えればや
むを得ない」と考え、会社にとどまり営業職となった。人と話すことが嫌いと
いうこともなく、社交性も人並みにはあるのだから何とかなるだろうとの思い
もあった。

営業研修を中心とした最初の数ヶ月は難なく過ぎた。Aさんの提出する研修
レポートは元研究職らしく詳細を極め、優秀だと誉められもし、営業職として
まずまずのスタートを切った。

しかし、半年も過ぎた頃、Aさんは上司の課長から急に呼び出された。
上司は渋面をあらわにし「君、半年もたつのに営業成績がまるで上がってい
ないじゃないか!営業報告書が上手く書けたって、売れなきゃどうにもならん
ぞ、どんなつもりだ」と怒鳴りつけた。それからというもの、毎週、否、毎日
の如く上司の叱責を受けるようになってしまった。

課長の顔と怒声を思うと出社するのがイヤでイヤでたまらない。だから、早
々と会社を出るのだが「訪問しても売れない」という気持ちが先にたち、今度は
営業先に回る気が起きてこない。そんな日々に思うのは以前の研究職時代のこ
とばかり。最近は「研究職が天職だったのに、何とも情けない営業職なんかな
ってしまった」との思いばかりが募る。思いと現実は大きく離れてしまった。
ある日、営業に出向こうと思った時、胃が強烈に痛み出し、額には脂汗が滲ん
でいる。慌ててタクシーで友人の医院に向った。

診察を終えた友人の医者は「胃潰瘍だ。それも相当に酷い。放っておけば胃
に穴が開くぞ。それにしても何か大きなストレスがあるんじゃないのか?この
ままじゃ、どうにもならんぞ」と告げた。

Aさんは「ああ」と返事はしたが、頭の中は真っ白。「一体全体どうすれば
良いんだ!」
と叫びたい衝動を抑えて病院を後にした。

妻や子供のことを考えれば辞めたくとも辞められない。しかし、このままで
は最悪の結果になることさえある。考えは堂々巡りになるばかり。どこをどう
歩いたのかさえ分からない。その時、ふと小さな祠が目についた。Aさんは思
わず祠に向って手を合わせた。そして、心の中で「助けて下さい。助けて下さ
い」と叫ぶように祈った。閉じた目から涙があふれ、それは合わせた手を濡ら
した。

祈りにしては随分と長い時間が過ぎた時、Aさんは決然として気づいた「俺
は営業という仕事を嫌っていた。だから仕事も俺を嫌っていたのだ。だから、
この営業という仕事を好きになることだ。自らの天職と思う他はない」その瞬
間に迷いは無くなり、胃の痛みはウソのように消えていったという。

翌日、元気良く出社したAさんを課長は怪訝そうに見つめながらも「おや、
いつもと違うな、この分ならいけそうだな。ところでB社のC課長は例の件で
行き詰っているらしい。お前ならアドバイスも可能だろう。そこから営業が広
がるってこともある早速行ってこい」「ハイ」とAさんは飛び出した。そして、
結果は大量受注に繋がったのである。

そして二年後、課長は部長に昇進。そしてAさんは課長の席に座っている。
彼はことある事に「天職は探して見つかるモノではない。君が決めたらそれが
天職になるんだ。ぜひ、今の仕事を好きになってくれ。そうしたら君は天職を
手にしたことになり、素晴らしい人生時間を手にすることになる」と新任の部
下たちに言い続けている。

天職とは自らが天職であると思い定めた職のことであり、仕事を好きになる
ことが自らの人生時間を最大限に活かすことに他ならない。

そして、あなたに出来ない仕事は一つも無い。

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