中小企業の人手不足・人材不足への対策を考える(1)

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■我が国における人手不足・人材不足の現状
ここ数年来の人手不足・人材不足対策は切迫していて、
倒産に追い込まれる件数が相当数に上りつつある。

背景には、言うまでもなく少子高齢化が急速に進んでいる
という事情がある。つまり、採用しようにも、そもそも
若手の数が減ってきている。少ないパイを大手企業と
競って獲得するのは容易ではない。また、最近の若手社員の
考え方が多様化し、転職志向が強まりつつあることも
背景にあると考えられている。つまり、採ってはみた
ものの、定着せずに離職してしまうのである。

■人手不足・人材不足対策としての手は?
さて、では切迫した人手不足・人材不足にどう対応
したらいいのか? 様々な対策が挙げられているが、
要約すれば、働き方改革や人事制度の見直し、DXの
推進による業務効率化(省力化といってもいい)、
若手社員の離職防止や若手社員の採用強化、
リファラル採用や外国人の採用等である。

ここまで説明したら、勘の良い読者はお気づきで
あろう。そう、これらの対策・施策は今に始まった
ことではなく、従来からその必要性が唱えられていた
ものである。

少子高齢化対策の必要性は言われてから久しい。
もちろん、DXを進めること、加えてAIによる
業務効率化や代替化はこれからますます必要に
なってくるであろうし、働き方改革や人事制度の
見直しも必要である。

しかしこれらは、現状を一変させるほどのインパクト
はない。リファラル採用もやらないよりはやった方が
対策として寄与するであろうが、全体から見れば
数は多くないであろう。そうした中でも、まだ説得力が
ありそうなのは、外国人採用といえよう。

政府が人手不足・人材不足対策としての外国人採用を
政策として導入し、在留資格が得られる特定技能
12職種を設けている。直近の出入国管理庁のデータに
よれば、在留資格を持つ者は、永住者の89万人を除くと、
技能実習で40万人余り、技術人文知識・国際業務で
36万人余りとなっている。このうち、特定技能資格を
持つ者は22万人とされている。意外にも、この程度の
数にとどまっているのである。様々な条件を整えるための
準備を考えると、外国人の採用を人材戦略の柱とする
こともなかなか難しいと考えざるを得ない。

■ないものねだりで人は採れない!
女性Newミドルの採用・登用・育成でブレークスルーを!
では、一体どうしたらいいのか。ズバリ言おう。若手
新卒採用を柱とする人材戦略から転換するのである。
実は目を転じれば、50歳以上64歳までの女性は、2022年
10月時点の統計で、何と1,248万人もいるのである。
これまで挙げてきた数字と比較してこの数字が如何に
インパクトが大きいかお分かりであろう。

ところが、中小企業は商工会議所が実施したアンケート等に
よれば、人手不足・人材不足対策に、依然として若手正規
社員の採用を上げているのである。

しかしながら、若手採用中心では、大企業との競争が避け
られず、賃金や福利厚生面で劣る中小企業が競って勝つのは
容易ではない。加えて、大手の賃金アップに追随した中小
企業も継続して賃金を上げる体力に乏しいであろう。

この現状に鑑みた時、もはやないものねだりをするのではなく、
思い切って戦略を変えてみてはと考えるのである。50歳以上の
主体性ある女性は、経験も豊富で、特にコミュニケーション
能力が高く、シニア女性が活躍している様々な事例を見ても、
女性ならではのきめの細かい気配り等の強みを活かし、
中小企業の生産性向上に寄与するどころか、戦力になっている
事例も出てきている。

私たち株式会社人的資本化は、出産や育児・家事に一区切り
ついた女性、主体性に富み、自らのキャリア開発に積極的で
生き生きと仕事に取り組む女性を「女性Newミドル」と位置付け、
彼女たちの採用・登用・育成で中小企業にブレークスルーを
もたらすことができると考えている。

もちろん、彼女たちを人的資本として活用するためには、採用・
登用・育成においてもこれまでと違った考え方や取り組みが
必要になってくる。

次回は女性Newミドルの活用の方法について述べてみたい。

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