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顧客視点の販売能力とは(2)

顧客視点の販売能力とは(2)


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販売員の販売能力

抜群の商品知識

現在の販売員の販売能力を著者の実体験を基に考察してみる。著者は職業柄、各地で講演活動を行っているが、その際には自らの活動内容を後日整理するためにデジタルカメラで写真撮影を行っている。
最近、コンパクトデジタルカメラ(以下、デジカメ)の調子が思わしくないため、デジカメの買い替えを決意した。

デジカメと言えば、現在、市場にはあらゆる製品が出回っている。また、顧客の主な購入先は家電量販店であり、各企業がしのぎを削る激戦業界でもある。販売員の販売能力を調査する意味ではこの上ない設定である。著者はデジカメに関してはほとんど知識が無く、利用目的と予算が決まっているのみである。そのような状況にある顧客も実際には多いことだろう。

購入動機としては、現在利用しているデジカメの調子が悪く、利用目的は講演時に撮影するために必要である。講演の写真であるから自分で撮影する訳でもなく、普段はほとんど使わない。予算は1万5千円から2万円である。著者はデジカメを現実に購入しようとして店舗に訪れている。この条件で、実際に家電量販店を回って調査した内容を整理したものが、図表1である。

図表1

顧客視点(2)図表1

この調査の意図するところは、販売員がどこまで顧客視点に立って顧客が望む商品を提案、あるいは提供することが出来るかを調査することである。つまり、著者のニーズを満たす商品をいかに的確に紹介してくれるかどうかがポイントである。結論から言えば、著者は今回デジカメをどの店舗でも買わなかった。いや、買う気にならなかったというのが実情である。

顧客の購買行動を考えた場合、著者もそうだったように、まずは価格に目が行く。その上で、大まかな価格帯を判断し、予算に見合う範囲で選択したデジカメを重点的に見る。そして、さらに色やスタイルなどで感覚的に判断した後、ある程度絞り込み、実際に手にとって触ってみる。その後、販売員を呼ぶとい う流れを辿る。そこで、販売員に対する顧客からの質問はおよそ3パターンが考えられる。

まず第1は、価格について聞くものである。これは、主にその商品の購入を決めている顧客が多いと一見すると思いがちである。しかし、必ずしもそうではない。なぜならば、この聞き方が販売員に対して最も顧客が聞きやすい典型的な質問であるからである。この種の質問をした場合の販売員の反応は、確かに価格についての詳細な説明をしてくれたものの、その商品の購入意志が既にこちらにあると決め付けている感があった。現時点では著者はまだ商品の選択に迷っている状況である。

第2の質問は、その商品に興味がある前提で販売員に商品の詳細を聞くものである。これも、顧客からの質問としては多いパターンであろう。この質問をした場合、販売員はこと細かに商品の性能、機能、その他あらゆる情報を提供してくれた。しかし、現時点では著者はこの商品を買うとは決めていない。(その商品にある程度は絞っているが、まだ自分に最適の商品か迷っている状況である)

第3の質問は、どの商品が最も自分の利用目的と一致し、予算の範囲内でベストな商品を選択できるかを問う質問である。この場合、販売員は私が指差すX商品ではなく、目的に沿った商品を理由とともにしっかりと説明してくれた。ここで注目すべき点は、第1および第2の質問の際には、販売員からの一方的な説明に終始する傾向があったものの、第3の質問の場合には、販売員からも著者に対して具体的な質問があったことである。販売員自らが積極的に著者(顧客)の情報収集を行っていた。中には、自分がある商品を実際に使っていて、とても使いやすいなど踏み込んだ情報を与えてくれる販売員も多かった。

以上を整理するならば、確かに販売員の商品知識はレベルの高いものとなっている。そして、それ以外の周辺情報や各種の情報も正確かつ豊富に持ち合わせている。一方で、それを引き出すためには、顧客側が販売員に対して適切な質問をしない限り難しい。なぜならば、販売員は顧客が口に出した質問は、顧客が本当にそれについて知りたいと思っている、と錯覚している様子が伺えるからである。しかし、著者の口から出た質問は、その真意とは無関係に、単純に販売員に聞きやすいというレベルからの内容であった。このような傾向はあらゆる業種で当てはまる。実際に、電話での問い合わせなどは価格を聞くものが多数を占める。しかし、顧客は電話で価格のみを本当に聞きたいのだろうか。

コミュニケーション能力

近年、若者を中心にコミュニケーション能力が欠如していると言われる。その是非は別として、少なくても昔に比べれば、人間同士のコミュニケーションの意識は薄くなり、場も減っているのは事実である。それは、ゲームやITの普及といったものや、価値観の変化や多様化と言ったものまでいくつもの要因が重なるものである。

インターネットで商品を購入する理由のひとつに、「購入者の商品の評価が分かるから」が挙げられている。これは、インターネットの普及により情報収集が容易になったという理由もあるが、それ以上にコミュニケーション能力の低下を示唆するものだとも考えられる。例えばデジカメであれば、実際に店舗に行って、実物を見て、触って、そして販売員に使い心地や感想を直接聞きたいものである。しかし、顧客のコミュニケーション能力が低下しているとすれば、実際の販売員とのやりとりはむしろ面倒になってしまう。それが、「店員対応がなく、煩わしくないから」という理由で説明されている。

しかし、著者が実際に店舗に行って感じたことは、販売員もコミュニケーション能力に欠けている、という事実である。コミュニケーションとは、簡単に言えば「意思疎通」のことであるが、販売員は著者がどのデジカメを買おうか迷っていることを引き出すことができていない。つまり、真の顧客ニーズを正確に把握できていない。いや、把握しようとしていない。圧倒的な商品知識などの情報量を持っていながらも、顧客の欲しい情報に的確に答えることができていないのである。

だとしたら、利口な顧客は、自ら欲しい情報について販売員を介さずに、インターネットのクチコミ情報などから収集しようとするだろう。

結果的に、店舗に足を運び実物はしっかりと見るが、そこでは買わずにインターネットで購入するという購買行動のプロセスを踏むことになる。店舗には豊富な商品が並び、販売員にも十分な商品知識や提案知識があるにもかかわらず、顧客は「自分のことを分かってくれない」販売員に見切りをつけ、インターネットの情報を頼ることになるのだ。

質問のスキル

販売員と顧客の間にある知識量の差は圧倒的である。販売員が熱心に商品知識を自助努力で補強しているのはとても良いことである。
しかし、その知識を的確に活かすことができているのか、という意味では疑問が残る。

顧客のコミュニケーション能力の低下が顕著である以上、顧客の欲しい情報に的を射て提供するのは販売員の役目である。販売員の販売能力を、「顧客視点で捉え、顧客が物を買いやすい情報提供能力あるいは情報媒介能力」と定義した。確かに、現在の販売員はその豊富な知識で情報提供能力は格段に優れている。

一方で、販売員は顧客が望む(顧客が物を買いやすい)情報提供をしていない、という事実も明らかだ。それは、顧客の質問のスキル(自分が欲しい情報を的確に答えてくれるような質問を投げかける能力)の低下と相俟って、販売員の質問のスキルも低下していることが最大の原因である。そもそも情報提供をするのであれば、顧客が何を知りたいのかを明確にした上で的確な情報を提供することが必要である。

著者のデジカメ購入時における販売員の対応調査では、著者が発した質問内容をそのまま顧客の知りたいことと捉える傾向が見て取れた。

しかし、発した質問のほとんどは言わば挨拶にも似た質問内容であったのである。だとしたら、販売員は例え金額に関する質問があったとしても、「価格についてのご質問ですが、そもそも今回はどのようなデジカメをお探しでしょうか?」と顧客に質問し直しても良いはずである。そうすることで、顧客が知りたいことを正確に掴むことができるし、顧客も自分が知りたいことをいろいろ気軽に質問できるようになる。

参考文献

○「販売士検定試験2級ハンドブック」株式会社カリアック発行
○「平成19年通信利用動向調査報告書」総務省
○「平成19年度我が国のIT利活用に関する調査研究事業(電子
商取引に関する市場調査)報告書」経済産業省

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