フランチャイズの変貌

セミナー講師陣の売上UPノウハウ集

弊社では、多くの企業のフランチャイズ展開支援を行ってきた。言う
までもなく、フランチャイズとは、他の資本(つまり、お金など)を使って、
事業拡大を行う一つの経営手法であり、店舗展開などを他社に委ねる
ことになる。弊社にフランチャイズによる事業拡大を依頼する企業は、既に自社にて事業モデルを確立しており、営業利益もそれなりに得ている段階に達しておられる。

営業利益が得られている事業モデルであるのに、なぜ他の資本である他社に経営を委ねるのかという疑問を持たれるかも知れないが、その理由は次のどれかに該当するだろう。

  ●自社の資本だけでは資金調達に困難があり、また自己資本だけ
ではリスク分散できないと判断される。

  ●自社による展開では、人材などの自社リソースの確保に時間を
要し、他社のソースを活用する方が、展開スピードが早いと判断
される。

  ●自社だけで事業展開するには様々な理由で顧客獲得に限界が
あり、既に顧客を有する他企業にノウハウを提供し、他企業の
顧客に商品・サービスを提供する方が都合を良いと判断される。

  ●他地域で店舗展開するには、地場の企業に任せる方が何かと
都合が良いと判断される。

このような理由で、フランチャイズ展開を意図している企業が多くあり、今までは、日本経済・産業が右肩上がりの時代であったこともあり、
飲食店を中心として多くの大規模なフランチャイズ・チェーン店が
出現してきた。

ところが最近は、少なくとも弊社にフランチャイズ展開のコンサル
ティングを打診する企業の事業モデルは、大きく変貌している。
すなわち、単なる飲食業やサービス業を多店舗展開したいという
ことを望んでいる企業は、少数派になっているように思える。

例えば次のような事例がある。

[例1]
住民向けサービス業を展開している大企業が、自ら保有するサービス内容のノウハウを、同業の他企業に使用してもらい、それらを提供する対価をロイヤルティとして受け取る。サービス内容のノウハウは、自社のITシステムを含んだものである。

[例2]
医療機関(サービス)を展開する企業が、顧客(すなわち、患者)獲得するノウハウを、他業界の企業に提供する。提供される企業は、患者
獲得だけを行い、医療サービスそのものは、フランチャイザーになる
企業が請け負う。

例1では、事業モデルそのものが、同一ブランドを使用する今までのフランチャイズとは大きく異なることが判明し、敢えて“フランチャイズ”という名称を使用しないことした。要するに、1企業と1企業との“業務
提携”という契約形態で、事業展開を開始した。

例2においても、同一ブランドを使用することはなく、顧客獲得を他企業に委託するという形態であり、これも今までの一般的なフランチャイズ
という括りではなく、業務委託のような契約になる。

筆者の感じるところによると、今までのフランチャイズ・モデルは、1種の閉塞状態になっているのないかと思えるのである。あるいは、同じ店舗を多数出現させるフランチャイズ・チェーンは、行き着くべき状態に
陥ったのではないだろうか。

世の中には、筆者の想像をはるかに超える事業モデルが存在する。
その事業モデルは、産業構造の転換もあり、さらに増殖しているように感じる。事業モデル自体が、多種多様出現しているし、ここにこそ産業構造の高度化が見られるのではないだろうか。

例えば、飲食店では、単に同一ブランドの多店舗展開という事業モデルは、既に過去のものになりつつあるということを強く感じる。飲食店で
あっても、サプライチェーンのノウハウの一部を形式知化して、それを他企業に提供することで、新たな事業モデルを確立することを志向するような事業モデルがあり得る。

自社の事業を拡大するには、多店舗展開という単純なモデルでなく、
自社事業のどの部分を他企業に任せるのかなど、多様な業態が
あり得ることを認識し熟慮する必要がある。ここに正面から向き合う
ことにこそ勝利がある、という経営者の発想が今後はますます
重要になるのである。

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  ○フランチャイズ本部構築コンサルティング

 

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