他人の時間と自分の時間

西村ブログ講師ブログ

「忙しい! 忙しい!」というのは仕事をしている人の共通の悩みだろうか。一つの仕事を
終えたら、二つの新たな仕事が舞い込む。いつまでたっても、仕事が終わらないなど、
心当たりのある方も多いと思う。こんなに忙しいのに、業績はさっぱり向上しない
ということも十分にあり得る話だろう。

どうしたらこの悪循環から脱却できるのか、もっと余裕をもって仕事をして、良い結果を
出したい、それにプライベートも楽しみたいと願う人も多いと思う。

 

他人の時間の弊害

今までの同じ仕事の仕方を行っている限り、この循環からは抜け出せないことは明らかだろう。
要するに、頑張れば頑張るほど、あなたに仕事が集中するのだ。あなたのスケジュール帳を
見てほしい。○○日××時~ △△社訪問、○○時~ 営業会議 などのスケジュールがビッシリ
という状況ではないだろうか。このようなスケジュールは、いわば他人との時間だ。他人の
ために、他人が決めたスケジュールだろう。このような時間帯が一日のスケジュールで半分も
埋まっていると、あなたは他人に振り回されることになり、その割にはさっぱり生産性が
高まっていないことだろう。他社訪問や営業会議などのスケジュールが入ると、その時間帯
だけでなく 、移動時間や会議の準備・フォローなどの時間が必要になり、その日のほとんどの
時間は実質的に埋まってしまう。

このような日常業務をこなしていて、「仕事をやっている、今日は頑張った」などと満足して
いる人は、仕事の効率化には無縁の人で、今後の業績向上は望むべくもない。
もし、「何とかしなければ!」と考えているなら、仕事の仕方を少し変えてみたらどうだろう。

 

自分の時間をつくる

スケジュール表の中に自分のための仕事の時間をつくることで、簡単に時間に振り回される
自分から脱却できる。例えば、毎日午前中には会議は入れない、他社訪問は入れないという
原則をつくるのだ。また、月曜日と金曜日は一切会議はなしという形でも良い。例外は一切
なしで自分の仕事の時間を確保する。「そんなことをしたら、せっかくの営業のチャンスを
逃がしてしまう」という声が聞こえそうだが、そのような些細なきっかけで失う仕事なら、
「元々成功する見込みのなかった仕事のはずだ。むしろ、無理な営業活動を行わなくて
効率化した」と割り切ることだ。

もちろん、確保した自分の時間には、一切の他からの仕事依頼は受け付けないで、自分の
仕事に集中することが前提である。予め、「この仕事とあの仕事を完成させる」という
心づもりを持って仕事に挑む。ただし、電話や緊急の依頼メールがきて、妨害が入る
可能性もあるだろうが、そんな場合でも、極力後回しにすることで、自分の時間を確保する。

人は、他人から頼まれたこと、すぐに取りかかれること、短時間で完了できることを、好む
傾向がある。自分の時間で行うべき多くの仕事は、自分で自分に課し、すぐに取りかかり
にくく、短時間で完了しないことが多い。だからこそ、自分の時間を無理にでも確保して
おく必要があるのだ。

 

他人の時間には明確な目的と期限を設ける

多くの他人との時間では、自分の時間ほどには頭が集中して働いていないだろう。会議では、
最初の時間帯こそ活発な議論が行われるが、後半は新たな話題も提供されなく、ダラダラという
経験も多いと思う。会議の開始時間ははっきりと決めるのに、終了時間は曖昧ということも多く、
緊張感がなくて何となく終了することがほとんどだろう。その原因は、目的と期限が明確では
ないからだ。目的と期限が明確なら、最後まで緊張感を持って会議を行うことができるだろう。

他社との打ち合わせであっても同じ態度で臨むことが有効だ。その後の予定があっても
なくても、「次の予定があるので、○○時までしか時間が取れません」と言おう。そうすることで、
相手も時間内に一定の結論を得ることに留意する。「そんなことは相手に失礼になる」と
考えるかもしれないが、決してそんなことはないし、むしろ相手には「この打合せが終わると、
次にあの仕事ができる」などという心づもりを与えることに繋がる。

 

8割で一旦終了する

多くの自分の仕事は、熟考を要し、試行錯誤が必要な企画的な仕事が大半だろうと思う。この
ような仕事の特徴は、着手が難しく、着手すれば比較的スムーズに進行し、最後の仕上げまで
には時間を要することが多い。そうであるなら、8割程度の完成度になれば、一旦業務を終了
させることが有効となる。最後の期限時に、残りの2割を完成させる。一般に、時間をおいて
再着手すれば、新たな見方や発見があり、残りの2割がスムーズに運ぶという経験則を
得ている人がいると思う。

もちろん、一気に完成までできるのであれば、それに越したことはないが、多くの仕事は再度
見直すことで完成度のレベルアップにつながることに留意すべきだ。

8割の完成度に達すれば、一旦To Do Listから削除しても良い。ただし、期限を守るために、
スケジュール表には残しておく。そうすることで、期限が近づくと、残りの2割を効率よく
進めることになる。

 

 

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